モアザンワーズ
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モアザンワーズ

絵津鼓

それでも読んでよかった

ネタバレ
2025年4月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず1巻最高でした。
インザ〜から先に読んでおり最後はハピエンと知りつつも、モアザン〜で再び傷付きに行くのが怖く、ずっとお気に入りに入れながらも「値下げ来るな」なんて思っていた。
でもどうしても詳しい背景を知りたくてこの度とうとう読んだら、想像していたのと違って美枝子も永慈も魅力溢れるキャラで、永慈の父親だってめちゃいい人で、こんな幸せそうな雰囲気いつどうやって崩れるん?と不思議だったけど…2巻入った頃から不穏な空気が漂い始め、P111で天を仰ぐことになる。

日本で代理母出産が認められていない理由がよくわかる気がします。
美枝子は真剣だったのだろうけど、3人が3人ともあまりに幼く浅はかだった。特にもう立派な大人であるはずの永慈が流されるままだったのが致命的。
つわりが始まった頃3人で部屋にいる時あれこれ話していたけど「それ今更する話?」とすごく驚いた。
どんなに深く考えたオトナの女性であったとしても、母体に子を宿したら考えが変わるのはあり過ぎる話。
美枝子の場合はそれが理由としては描かれていないけど、結果を見れば子供は2人に託さず、永慈と籍を入れ子供と3人で笑いながら生活をしている。

永慈とマッキーに幸せになって欲しかったんじゃないの?
あなたと永慈と赤ちゃんの3人で笑っているその時、マッキーはどうしていたと思う?
美枝子だけを責めるつもりはない。ずっと気にかけていたこと、インザ〜読んでるから知ってる。
妊娠3ヶ月の時点で美枝子と籍を入れようとしていた、しかもそれをマッキーに言う永慈、抗う姿勢も見せずそれを淡々と受け止めるマッキー。2人の元から姿を消すマッキー、探さない2人。
3人で過ごした幸せな日々は嘘じゃないのに簡単に壊れちゃったもんだなと。
唯一救いだったのは子供が不幸にならなかったこと。何とも皮肉なことに永慈があんなゆるゆるな性格だったから、とりあえず子供は守られた。

ラスト、ゴミ捨てに行くマッキーの後ろ姿が描かれている。あまりに寂しそうで胸がぎゅーっとなってしまった。でも隣にアサトがいた。
ああ今すぐ救われたマッキーを見に行かなきゃ私が闇堕ちしてしまう。IN THE APARTMENT行ってきます。

※星評価は酷です。でもインザ(一部スパナチュも)全体として考えた時、より深く理解出来たし、重くて辛かったけどやはり名作だと思いました。なので星5。
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