神様作家は愛を綴る【単行本版】
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神様作家は愛を綴る【単行本版】

ゆぐも雛子

神様や妖怪が身近な世界線でのお話

ネタバレ
2025年4月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 氏神様の紫雨は神様でありながら人気作家でもあり、担当編集の本間椿は紫雨様の補佐として宮内庁から派遣されています。紫雨様は氏神様として定期的に穢れや澱みを祓いますが、椿はなぜかケガレを呼びやすい体質で、幼い頃に母親に捨てられ、元彼たちも椿と付き合うとDVや浮気に走ったり、重いと捨てられたりしてきたのでした。ケガレを呼んでしまう体質を自覚している椿は、紫雨様に惹かれながらも「清らかな神様を穢してはならない」と頑なに自分の気持ちをを押し殺しています。紫雨様も椿を愛しく想いつつも、神さまゆえに人である椿の方から求めてくれなくては応えることができないのでした。作家と編集、神様とお仕え人という二重の関係を持つ二人が恋人となってゆくお話は、紫雨さまの作家としての属性があまり響いてきませんでした。現代伝奇ものが得意分野らしいのですが、もう少し具体的に知りたかったです。それでも椿の、優しさというより相手を憐れむ何とも言えない傲慢さが「ケガレを引き寄せる」というのがリアルで非常に納得でした。紫雨様のケモ耳も気になります。続編ではぜひそのあたりと、猫又•千里のさらなる活躍を見たいです。
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