秘密 season 0
」のレビュー

秘密 season 0

清水玲子

No. 1えぐられマンガ!

ネタバレ
2025年4月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 心がえぐられます。良い意味でも、悪い意味でも。。。ほんとに、どうして毎回こんなすごいストーリーを思いつくのか、そして、こんなエピローグにたどりつくのかと、清水先生の容赦のなさにガツンと叩きのめされる感じです。
『season 0』のサブタイトルになっていますが、薪と鈴木の出会いを描いた前日譚は1巻の『創世記』のみで、2巻の『原罪』からは前作の続編となっています。『第九』が全国展開して、前作の中心メンバーがそれぞれ責任者となってバラバラに配属されているので、出番が少なくなって少しさみしいですが、薪と青木の関係は相変わらずで安心(?)です。
2巻、3巻の『原罪』は犯人にけっこう感情移入してしまいました。動機も理解できる。でも、やり方と後始末がマジで。。。絶句です。しばらく外食が怖くなるかも(苦笑)
『増殖』からの『悪戯』はいろいろと考えさせられました。宗教の洗脳の仕方にゾッとするし、現実とリンクしていて怖いくらい。特に子どもたちに悪意を芽生えさせるというか、植えつける方法が。。。競わせたり、あからさまにひいきしたり、序列をつけて子ども自身を支配者にしたり最下層を作ったり、秘密の共有や、罪悪感による縛り、などなど。。。怖くて直視できないくらいだけど、こういうシステムを知っておくのは大事だと思いました。『知っている』だけでも、少しは闘える!!…はず。。。(弱気)
本作を読むと『死者の記憶を映像として取り出せる』技術が現実にあったらどうなるだろう、とつい考えてしまいますが、やっぱりどう考えても『ディストピアだな』という結論にたどり着きます。犯人が捕まることや冤罪が少なくなるというメリットを差し引いても、プライバシーの問題や映像が流出した時のリスク、それからなにより、捜査員たちの負担を考えたら、絶対、なくていい!!世の科学者のみなさん、お願いなのでそんな技術、生み出さないでください!!!
重くて、エグくて、人間の悪意にさらされ続けるようなストーリーの中で、薪さんと青木の存在が救いになります。お願いだから幸せになって!世間一般の幸せじゃなくてもいいので、とにかく、2人が幸せだと思える結末を願ってやまないです。
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