このレビューはネタバレを含みます▼
太った悪役の主人公が転生前の記憶に目覚め、そこから奮起して成り上がるというパターンは割と多いのですが、この作品ではライバルがそれなりに気持ちの通じる存在であること、取り巻き連中が性格最悪ではなく、それなりに良い奴だったり、ちゃんと友達だったりすることなど、本当に悪いやつというのがおらず、意地悪に見える兄も怖くて無関心に見える両親も祖父も、なんだかんだ主人公が働きかければ協力もしてくれるので、実は冷遇されてもいない。また反面、主人公の唯一の理解者であり味方のようなメイドや幼馴染のグラマーな美少女のような存在もありません。
軽いタッチの作品なのに、ぼっちも成績不振も体型も本人の自覚と努力次第で解消できる。争いに善悪はなく双方の立場の違いのみが存在する。というテーマのようなものを感じます。
善と悪に分かれる作品によくあるライバルの貴族が金で誰かを買収したり、誰かを誘拐して脅したり、何らか汚い手を仕掛けてくるような悪役ムーブもなく、お互いルールの範囲で堂々と戦う事からもそれを強く感じます。
この後の展開でどう変わるかわかりませんが、面白いと思います。