このレビューはネタバレを含みます▼
動物園のコウテイペンギン•スバルは、ある夜流れ星の光に照らされて気がつくと人間の姿になっていました。「ここから飛び出して運命のひとに出会いたい」との願いがスバルを人間にしたのでした。園内ですぐに保護されたスバルは、同じタイミングでホッキョクグマから人間に変化したカイと出会います。とても不思議な状況なのに妙に慣れてる園長の指示で、二人は一緒に暮らし始めます。人間の年齢だと26歳で人気者のペンギンの中でも一際愛嬌のあったスバルは歌舞伎町のホストに、19歳のカイは大学生になり、二人は人間社会へと踏み出します。集団で暮らすペンギンだったスバルにとってホストは天職で、早速運命の相手を探そうと張り切ります。ところが群れを成さないホッキョクグマで、しかも動物園育ちでいつもひとりぼっちだったカイは、スバルにやたらと懐いて執着してくるのでした。きれいな顔立ちのスバルの人懐っこさと寂しがり屋なところが何ともペンギンらしくて可愛いです。ホッキョクグマらしくガタイが良くてのっそりしたカイがスバルにだけ甘えてくるバブみと、それがナチュラルに性衝動に変化してゆくオスみとが絶妙でした。個性溢れるユニークな設定は『メテオリックロンリーナイト』の景虎とアラタの場合も面白かったです。園長さんとNo. 1ホスト鳳さんのお話をぜひ読みたく思いました。