或るミステリ作家とその担当編集にまつわる記録
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或るミステリ作家とその担当編集にまつわる記録

倫敦巴里子

都会に生きる最後の天使×快楽主義の編集者

ネタバレ
2025年5月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家×編集者が5話、DKからスタートする同級生ものが2話収録されています。表題作は、冒頭ミステリ作家の波木光司が、編集者の猪又さんからエロシーンを書けと圧をかけられます。DTの先生にはエロに関する引出しが無くて猪又さんに縋るのですが、猪又さんはゲイ寄りのバイでネコ専なため全く参考にならないのでした。おもむろに女友達を紹介しようとする猪又さんに先生は「初めてだから好きな人じゃないと……」と尻込みします。仕方なく猪又さん自ら一肌脱ぐのでした。Sっ気溢れる編集者がエロを鞭に、純情可憐な先生に新境地を開かせてゆく愉快なラブコメです。作品のためには鬼のように先生を追い込む猪又さんが、えっちの時には可愛いのも良きでした。『プリーズ•テルミー』進学クラスの高校3年生•名取京介は、就職組の片平太一と仲良しです。進学クラスのクラスメイトと違って天真爛漫おバカな太一といると京介はとっても癒されると同時に「もしかすると誘われてる?」とドキドキするのでした。天然煽り体質な太一と京介とのやりとりが楽しいです。続く『プリーズ•ラブミー』では京介が大学1年生、太一が社会人1年生となります。2011年発行なので端々に若干古さを感じますが、どのキャラもとっても生き生きとしていました。
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