愛おしいからもう一度【単行本版】
」のレビュー

愛おしいからもう一度【単行本版】

新本浦子

ネタバレ踏まずに読んでください

ネタバレ
2025年5月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今このサイトのレビュー欄に、この作品の感想を書き残していなかったことに気がついて、驚いてデカ声出てしまいました。この作品がなければ、自分は商業BLというジャンルに偏見を持ったまま、漁ることなく人生を終えていたと断言できます。
最初に読み終えた時の衝撃を覚えています。この作品を何で知ったのかは覚えていないのですが、最後まで読み終えた時、あまりのすごさに泣きながらエエ!?!?!?と叫びました。愛おしいからもう一度というこちらの作品、一冊の中でもオチが段階的に用意されており、作者様のSNSでもその後が描かれていたりして、無限に衝撃と萌えを享受し続けることができるのですが、自分がビビったのはコミックス描き下ろしの最後です。要はこの一冊の一番最後の部分なのですが、一体何を食って何考えて生きてたらこんなものすごいオチが思いつくんだ!?と思って驚愕しました。ファンタジーデスループものとしても商業BL作品としても、描き下ろし前のオチで充分素晴らしいのに、その先を追求して誰も見たことの無い景色を見せてくれる。愛おしいからもう一度、のタイトル回収がもう終わったと思わせておいてからの、その先での二段構えのオチ。これは確かに、この二人のラブストーリーだからこその展開だと思いました。恐らく全部含めて最初から構想されていたのだと思いますし、自分がわりとループものが好きでその定石を知っていたからこそ陥った罠だということは分かっているのですが、分かっていて尚何度読んでも、何年経っても、作者様頭良〜ッと思います。
ループ展開に関して凄い凄いばっかり言っててその他の事柄についてあまり触れられてないのですが、すごくいいです、煮詰められた感情。正直ファンタジー展開がなかったとしても、このお二方の恋物語を応援して萌えていただろうなと思うくらいには、青春展開の方も好きでした。放っておいたらバームクーヘンエンドになりそうな訳ありカップリング、かなり好きです。だからこそファンタジー設定が付いていて、読んでいてある意味救われたし楽しかったというのもあります。本編だけでは本編で受けた傷が癒えない、という方は、特典漫画や作者様のSNSで公開されている漫画で暖をとってください。
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