愛しものに蓋
」のレビュー

愛しものに蓋

ヲリコリコ

蓋は開くのか

ネタバレ
2025年5月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「割れたカップ〜」が気になりつつ、こちらの作品が私のヲリコリコ先生デビューとなりました。
素晴らしかった。ストーリーも絵も言う事なし!
かなり重い話なのに笑える部分もたくさん描いてくれるので、心折れることなく最後まで一気読みでした。

時鷹くんの手でイケたときの眞白くんの表情、ちょっとスゴイですね。あまりにインパクト強過ぎて翌日の仕事中も油断すると思い出してしまい、いかんいかんの連続でした。でも最高のシーンだったなあ。レビュー書いている今は涎出そうなニヤケ顔になってます。

絶頂を迎えることができた眞白くんだけど、そこに至るまではとんでもない苦悩の日々で。考えるとムカムカするのであまり触れたくないのだけどこの話の大軸なので…父親、皆の人生を狂わせてしまったね。
教職を解かれていたね、母親が「あの"娘"の中に〜」って言ってたね、教え子ですかね。まあ誰かはどうでもいいのだけどその子と結ばれたわけでもないし、ただ皆が傷付いただけと。
眞白は時鷹と再会する前から時鷹が好きで(初恋だったのかな)でも母親に首を絞められた時にその気持ちを箱に閉じ込め蓋をした。例えば再会がもっと遅れ、蓋に打った釘が錆び、釘抜き使っても開かなくなってしまったら…と考えるとゾッとする。
母親は夫が大好きだったんでしょうね。父親にそっくりな息子は誇りそのものだったはず。その子を手に掛けそうになるほど狂ってしまったのは同情しないでもないのだけど、発覚した時点で同じ事を夫にするべきだった。暴れて罵ってフルボッコにすればよかったのよ。ショックで呆然としてそれこそ心を閉ざしてしまっていたのではないの?行き場を失くし燻り続けた結果がアレなんでしょう。どうしても眞白の方に感情移入してしまうので、やはり母に対しても負の感情が湧きます。

蓋開いてよかった。間に合ってよかった。
(↑最初これをレビュータイトルにしてた。ネタバレと思ってやめた)
アホになってしまった後のツヤツヤピカピカの眞白可愛かった。「ベロベロベロベロ」には笑わせてもらいました。
ただ「愛しもの、独り占め」までくると解放ハイにもほどがある(笑)と、個人的にはこの話は無くてもいいような気がしたけど、続編をほのめかす最後の一コマは気になりましたねえ。
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