蠍と乙女
」のレビュー

蠍と乙女

澄谷ゼニコ

ジャンルは少女マンガでいいのでは

ネタバレ
2025年5月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 乙女は自分の気持ちを小説にして昇華出来るけど、笹反はどうしたらいいの…。
あれだけ言葉を尽くしても無視されて、笹反が良い加減可哀想になってきたところに、笹反が乙女と死期を合わせるために煙草を吸い始めたところ、泣いてしまったんですけど。アガペーじゃん。
乙女の行動を全肯定しながらも、作品に対しては一切打算を許さないのは、乙女が書くものは乙女の心そのものだと分かっているから。唯一、乙女が自分だけに書いてくれた作品が自分に向けたラブレターだと気付いた笹反だからこそ、編集者という立場を得てまで乙女に自分の心と向き合わせようとする様に、笹反の底知れない愛情の深さを見た気がした。
無償の愛の前にさしもの頑固な乙女も言いなりになる未来は近そう。
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