鳥籠~堕ちた少年たち~ コミックス版
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鳥籠~堕ちた少年たち~ コミックス版

ミナカミ理久

最後の描き下ろしが真髄 元気な時に読もう

ネタバレ
2025年5月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作家さんが好きで作品をあつめていますが、
読者の心をズタズタにするという意味ではこの作品が
断トツでトップだと思います。
好きだけど、元気な時に読みます。
いきなり単行本を買うと財布と心のダメージが大きいと思うので、初読みの方は単話から始めた方がいいんじゃないかな…。
救いのなさに乾いた笑いも出てきちゃうほど。
単行本にまとめる際に、闇を光でサンドイッチする作家さんもいるなかで本作はミナカミ理久先生色、一色です。
つまり、救済ハピエンは不在です。
同じ舞台で主人公たちが次々に不幸になっていく様を連続で見せられて一冊が終わりますからね。
作者の性癖を語る後書きのほっこりさえもないです。
救済ハピエンはないと書いたけど、一応メリーから好きな人に水揚げされた子もいます。
ただ、その大人を頼りにするのは危なくないか?と思うようなやつに水揚げされてます。
税金の支払いとかに困ったら、メリーで身体売ってたからいいよね?とかいって売○させそうだし、同棲したら全部、家事とか押し付けそうなんだよ。
だんだん扱いが雑になっていく未来。
メリーだけで会ってたから続いた関係性。
この作家さんがまともな攻めを描くイメージが皆無なせいかもしれないです…。
こんな想像してしまう私もミナカミ先生のワールドに浸されているのかもしれないです…。

極め付けに、巻末のコミックス版描き下ろしがパンチ効いてます。
ぜひ、コミックス版を購入してほしい。
最後に頭をハンマーでどつかれた気分。感服。すごい。読者の心を蹂躙していきます。
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