『行方不明。』【単行本版】
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『行方不明。』【単行本版】

kanipan

愛の逃避行

2025年5月16日
誰にも言えない秘密を共有していた二人が、8年ぶりに再会したことをきっかけに再び罪を犯し、逃避行するお話。
逃避行する現在地から物語が展開し、徐々に過去が明らかになるストーリーはハラハラドキドキしました。過去の交流時も罪を犯し、再び罪を犯してしまった二人が、自首するまでの短い間に互いの気持ちを確かめ合う。身体で繋がる場面が多いですが、会っていない時間のお互いの過ごし方の違いに愕然とし、その事実が共犯となる現在地に繋がっていきます。楓なしでは生きていけない亮と、亮の幸せを願いながら堅実に生きる楓。ともすればバドエンになりそうな二人ですが、きちんと前を向いてハピエンで終わったのは良かったと思います。
ただ、楓はきちんと罪を償ったようでしたが、亮は不明。楓の親のことも、亮の彼女のことも、亮にも責任はあるはず。「一緒に自首しよう」という楓のセリフに前向きな二人の未来を想像しただけに、そこはきちんと描いて欲しかったです。
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