朝が来たら、ふたりは【単行本版(シーモア限定描き下ろし付き)】
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朝が来たら、ふたりは【単行本版(シーモア限定描き下ろし付き)】

81

綺麗なタイトル

ネタバレ
2025年5月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全部読み終わって甲斐の人柄を知った今なら、最初に藤井に半ば脅迫のようにセ、、を強要した行為は、清水の舞台から飛び降りるかのごとくとんでもない開き直りで、賭けに出ていたんだなと分かりました。それが結果的にはハピエンに繋がる最初のきっかけだったので、褒められた交渉では無かったけど藤井も割とすんなりのってきたし、ここは甲斐の勇気(?)に拍手を送っちゃおうかな、なんて。

ゲイをオープンにしている甲斐(後輩・受け)と隠している藤井(先輩・攻め)。藤井には高校時代のトラウマがあるから。自分のことかと思ったら友達のことだったのね。でも助けられなかった自分をずっと責めていた。この点ちゃんと作中でフォローしてくれたのは、藤井もだろうけど読者である私も救われました。先生ありがとう。

試し読みのとき、あまり背景に描き込みのないツルンとした絵がどうかなあと思っていたけど、すぐに気にならなくなりました。
甲斐の妹ちゃんや藤井の同期の林さんのような味方に癒やされ、よく分からんモブキャラの下品な発言にイラつき、色んな感情の中2人の行方を見守る形となりました。
妹ちゃんの結婚やカムアウトした後の物分かりの良過ぎる同僚たちなんかは都合良すぎだなと思ったりもしたけど、うまくいったに越したことはないですし、2人の為によかったよかったと思うようにします。
続きも大いに気になります。そちらもタイトルが綺麗だなあってまず思いました。
「朝が来たら、ふたりは」も2人の様子をぴったり表してして、時間の流れも感じられて本当に綺麗なタイトルだと思います。
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