このレビューはネタバレを含みます▼
低評価で書かれている通り、初め好きになれなかったというか嫌悪感がある位でした。
好感度ゼロの、慇懃かつ他人行儀に距離を取られている相手にガンガン距離を詰めて盛大なドジをやらかす。その上まだ付け回し自分の都合をペラペラ喋る。
こんなあからさまに読者に嫌われそうなエピソードにしなくてももうちょっとやりようはあるだろうと思うにしても、大切な人を亡くして巻き戻り、このまま彼に会えるのか生きているのかもわからない、下手に行動したら何かがおかしくなってしまうかもしれない…もどかしい数年を経て漸く再会となれば変な挙動になってしまうかもしれないし嫌われてでも心配してしまうだろうしそれでも期待もしてしまうかもしれない…とも思いました。
その上で、見知らぬ他人のヒロインに付きまとわれ大した理由もなく軽率にべた惚れになるような、よくあるご都合主義のチョロいヒーローではない描写がある意味リアルで先を読めました。
そして現在最新6巻ですが、いつの間にか主人公が報われることを願っていたし、ヴィンセントの心境も初期から現在まで変化する様子は等身大で自然なもので納得できるいい描かれ方をしていると思います。
それにサブキャラもエピソードやちょっとした会話、表情だけでも人物に厚みがあって印象深く、この人誰だっけ?が今のところない(前世で友達だった女生徒たちはちょっと怪しかったけど)!個々がとても魅力的です。
次~次々巻あたりでそろそろ本題の事件が起こりそうで先が気になります。最初のあの人のあのセリフを思い返すともしかしたらもう一転…