おおかみルゥと過保護な冒険者【シーモア限定特典付き】(イラスト付き)
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おおかみルゥと過保護な冒険者【シーモア限定特典付き】(イラスト付き)

伊達きよ/犬居葉菜

色んな愛に溢れる作品

ネタバレ
2025年5月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 特級冒険者の戦闘に巻き込まれ亡くなった冒険者で、一緒に死んでしまった仔人狼に魂が転移してしまったルーシィと、彼が死んだ際戦闘をしていた冒険者リカルドのお話。

長い長いお話です。最終的に作中で20年ほどの年月が過ぎます。
最初は仔オオカミとしてリカルドに拾われるところからのスタート。

仔オオカミのルーシィがハチャメチャに可愛いです。リカルドが過保護になるのも仕方ありません。
遊び場で一生懸命遊んでいるところ…。元人間とは思えないほどオオカミ(笑)

年齢差がえげつないので、ルーシィが大きくなった頃リカルドはどうなっているのか問題が早々に解決してくれたのは良かったです。
そして、最初ルーシィが小さい頃は恋愛要素の「れ」の字も無いくらい親子であり師弟なのも良かった。
リカルドが愛を知らないからこその展開だったのかもしれませんが、この作品のテーマ(?)である愛の形はひとつじゃないことを体現してくれていました。
ルーシィの成長に応じて、親子、師弟、恋人と愛の形が変わっていくのではなく、一人の人に対して色んな愛の形が増えていくというのが凄く自然で素敵でした。

また、ルーシィたちの寝るときのおまじない「また明日」も良い。
ほんわか温かい気持ちになれるシーンがあったり、切なく響くシーンもあったり。
一つの言葉の有無で色々な意味に取れる。これも愛の形そのものなのかもしれないなぁ、と思わされました。

あと、地味にリカルドが実は料理をしたことがなく、ルーシィのために料理を覚えたという事実に萌え散らかしました。
すごく可愛い!
そしてその事実をルーシィが知らないのがまた良い!
これを知った時のルーシィが見てみたいなぁ。

とにかく全編を通して色んな愛に溢れる作品でした。
主人公たちはもちろん、ルーシィの兄の愛、母人狼の愛。
形は違えど皆素敵な愛。読んだ後ホッコリ温かい気持ちになれる素敵な作品でした。
出会えてよかった。また読み返したい。おススメです。
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