このレビューはネタバレを含みます▼
うーむ、どうにも心配。
本当にいいのかい?と勇に聞いてしまいたくなる。
妻との死別、恋人との別れ(自分のDVのせい)により、眠れなくなり鬱っぽく常に怠そうでカウンセリング通い、勇に対しては近づいたり拒絶したりと葛藤し、上巻下巻のほとんどが不安定極まりない状態の高杉ですが、私は最後の最後勇と付き合った後の、一見落ち着いたかのように世間では見えるのかもしれない高杉の方が怖かったです。
付き合った途端急にデレた高杉に吃驚しつつ、でも時折見せるサイコっぽい目つきに戦慄…
優しく笑っている時ですら怖く感じる…
この独占欲と執着はなかなかよ、勇も「やばこの人」って思う場面があるんだけどね、でも甘やかしてあげたくなるみたいで。勇がいいんならいいんだけどさ。
高杉は根本はもう変わらないような気がするけど、勇はまだ若いし変わりそうなんだよなあ。
もし勇が離れたくなった時、高杉は勇を解放してくれるかな、なんて余計なお世話と言われそうだけどそんな心配しちゃう。
ストーリーとしてはゾッとするくらい怖い共依存の話で、その出来自体は傑作と思います。
何せしばらく引きずりそうなくらい震え上がらせてもらいましたんで…。