死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから
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死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから

白川蟻ん/六つ花えいこ/秋鹿ユギリ

原作を読み終えた方だけ読んでください

ネタバレ
2025年5月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミックの続きが気になりそのまま原作小説へgoして最後まで見届けてから再びコミックの方へ舞い戻って来ました。小説を読み終え全てがわかっている状態で改めてコミックを読むと、初見では絶対に気付かない細かな伏線がしっかり描かれていて鳥肌が立ちました。オリアナの言う『一度目の世界』のヴィンスはきっと転生し記憶を持ったヴィンスなのだろうとコミックを読んでいて感じました。これについては、正直小説を読んでいただけではわかりませんでしたが、コミックを読み、一番最初、卒業後のことをオリアナが話している様子をヴィンスが何か思い悩むような表情をしていること、オリアナが東棟談話室を待ち合わせ場所に選んだ事にヴィンスが酷く動揺していたこと。そして、オリアナが『二回目の世界』でオリアナとヴィンスの馴れ初めについて話していたシーンで、入学式の日にヴィンスがオリアナに一目惚れをし、ヴィンスからオリアナに声を掛けて来たとあります。ヴィンスが転生しオリアナの記憶を持っていたから、二回目の世界のオリアナと同様にヴィンスもまたオリアナに声を掛けたのではないか。…一巻の二話目、前世のオリアナとヴィンスが竜木のある森の中を歩いている回想シーンがありますが、ヴィンスがムイムイの対処方法をオリアナへ教え、オリアナがヴィンスは物知りだねと言ったのに対し、「竜木と5年も付き合っているから」と何気なく言っていますが、これは学校生活5年目を指しているのではなく、ヴィンスにとって「5回目」ということ。そしてこれは読み終えてから、一巻を読んで凄く心が苦しくなったシーンが、二回目の世界でオリアナとミゲルが初めて言葉を交わし、握手をするシーンでミゲル視点で描かれ“これからよろしく”…と言っているシーン…全てがここに詰め込まれているように感じました。一巻でここまで繊細、かつ巧みに物語が練り上げられ、小説だけでは伝わり難い部分をコミックが全て補ってくれています。小説が駄目なのではありません、原作の「良さ」を更にコミックで面白く演出してくれています。小説からコミカライズ化するとどうしても文章が追いつかずコミックが単調、内容が薄くなる場合がありますがこちらは間違いなく大成功です。キーとなるポイントはもちろん、伏線の敷き方、そしてなにより作画がとても繊細で益々物語の世界観に魅了されました。素敵な作品をありがとうございます
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