このレビューはネタバレを含みます▼
仁嶋先生の作品はいつもどこかで驚かされる。
それも楽しみで読み続けている感じです。
「ネタバレあり」にしていますが極力書かないつもりです。でもちょっとだけ触れます。お気をつけて。
さて今回は渚ね、何者なのか一体千波に何を話したいのか。
ミステリでも最後の探偵の話に驚かされたいタイプなので、こちらでも積極的に推理することなく読んでいたのですが、高山さんが出てきた時「ああそういうことね」と思ったら、外れていました(笑)
何ともう一捻り来たか!やられた!と嬉しい驚きが。これだから仁嶋作品はやめられません〜!
渚さ、放っておくことも出来たよね。実際千波に会う前までは「余計なことしちゃダメだ」「俺は部外者なんだから」と思っていた。
でも一歩を踏み出してしまい、千波の人となりを知れば知るほど逡巡することになる。
千波のことを好きになってしまったから「あのことを知っていなきゃ何も考えずに側にいられるのに」「このまま何も話さず千波といたい」と苦しみ、自分に言い聞かせるように言わない方向への言い訳を胸の中でする渚に切なくなった。この辺の描き方がすごく上手!
たぶん本心に気付かないフリをして「波風立てずに側にいられるならそれが一番いい」ともう何度目かの言い訳をしながら千波の元に走ったら…。
すごいです。憂いの横顔のカット1コマで、千波に全てを話すことを決心した渚。それも納得の何とも言えない忘れ難い千波の表情でした。
優しい2人です。
千波に前を向いてもらいたいという想いで話した渚。
怒りを露わにしながらも、真実を見つめ認める賢さと強さのある千波。
「次の段階にいける」と、渚の想いを正しく受け止めた千波はもう大丈夫だね。
「俺の分の荷物渚が持っててくれたんだな」というセリフを見た時、作中お互いの荷物を持つシーンがあった!と気付き感動してしまった。
心の機微の描き方だけでなく、伏線の張り方も上手過ぎる。
元々は島でお勧め頂き知った先生でした。
もうファンを止められません。出会いに感謝!