このレビューはネタバレを含みます▼
あらすじだとエロ主体に感じますが、実際は話の筋がきちんと通ったサスペンス。怪しい催イン剤を打たれて夜道で行き倒れるαの刑事エリックを、通りかかったβの医師リーンが偶然助け、家で介抱する所から謎に満ちた物語が始まる。催イン剤自体が物語のkeyとなっていて、これに起因するエリックの母の謎の死や、死亡事件が相次ぐ。養父や突然現れた医師リーンへの疑惑が深まる中、リーンを見張る目的以上に彼との関係を切れないエリック。捜査及び彼とのセ◯クスに溺れていくことで、真の黒幕が二人を襲うことになる。
エリックに執着する異常性が垣間見えるリーンと、異常性を感じながらも、その体温に中毒のように溺れて離れられないエリックもまた少し異常性を帯び、誰が白で誰が黒なのか、謎解きの物語にゾクゾクする緊張感を与えていて面白いです。
ラストは、スッキリ事件全解決ということでなく、エリックの心に迷いがなくなり、ある意味幸せな余韻の残る終わり方でした。
絵が綺麗で、夜の闇のような物語の雰囲気を巧みに表現されている作品。