やさぐれ男、異世界で色悪騎士が愛する王子の身代わりとなる
」のレビュー

やさぐれ男、異世界で色悪騎士が愛する王子の身代わりとなる

小中大豆/奈良千春

やっぱり小中先生は期待どおりの作品…

ネタバレ
2025年6月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ やさぐれ男=異世界から召喚された礼夜なのですが、要所要所、元の世界で愛を与えられなかった描写が切なくてウルッと来ていた訳ですがラストで泣きました。
礼夜もすっかり泣き虫になっちゃいましたしね。
礼夜と心を通わす事になるヴィダールは色悪騎士だったのかと言われるとそんな事もなかった様に思いますが、不遜な感じもありつつ礼夜に愛を初めて与えてくれた人としてめちゃくちゃナイスガイでした。
ラストもとても良かった。小中先生は最後まで誰も取り零すことなく救ってくれた気がします。

フレイの為に王国を取り戻すと言う命題はありながらも、そこは主のテーマでは無かったので駈け足感はあるものの、それで良かったと思えます。
主題はやはり礼夜が愛を知ること。
そこは如何なく描かれていたので満足。

一番印象深かったのは礼夜とヴィダールが寝物語の様にお互いの生い立ちを語り合う場面。
礼夜が何てことないように"よくあること"と語るところ。決してよくあることではないけれど、まったくないことでもない。
けれど悲壮感なく、あっさりとそれを口にする礼夜に心の強さや生命力を感じました。
魅力的なキャラクターでした。
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