似た者どうしの
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似た者どうしの

菅辺吾郎

高校生ならではの曖昧さとズルさとリアル

ネタバレ
2025年6月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ ラブラブBLが好きな私としては、前半(半分どころか、4分の3)は結構しんどかったなぁ~~。
だって田中は女子と付き合ってて、しかもすごくラブラブなんだもん。
片思いしてる中田くんの気持ちを思うと、胸が苦しかった…。
クラスメイト女子の双葉さんが本当に良い役割をしてくれていて、有難かった。

田中の彼女の谷垣さんは、私から見ればずっと中田くんのライバルだったわけなので、苦々しく思っていましたが
客観的に見れば ごくごく普通の善良な女の子。
ラストでのセリフは、「えっ、そうだったの!?」ってズッコケそうになりましたが、でも現実的に、多感でフワフワしている高校生なんて実際こんなもん。
自分もそうだったし。ノリと勢いで好きになったり付き合ってみたりするよね。
隠れてキスするっていう行為自体にワクワクして、相手のことが本当に好きかどうかなんて深くは考えてない。
都合が悪くなったら逃げたり、正面から向き合えなくて自然消滅したり、現実世界ではよくあること。
そういうリアルが漫画になると、こんなにも残酷なイメージになるんだなぁ。

菅辺先生の作品は、全体的に穏やかでほんわかしててジワジワくる系なので
途中途中で苦しくなりつつも、最後はふんわりした空気でまとまっていました。
「BLなんだから、最後は田中と中田がくっつくんだろう」と思いながら読んでましたが、最後までどういう結末になるのかドキドキしてました。
すこし間を開けて また読み返してみたいな と思った作品です。
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