薔薇色じゃない
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薔薇色じゃない

凪良ゆう/円陣闇丸

さすが、の一言!

ネタバレ
2025年6月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初期の頃の復刻新装版ということですが、なんで今まで読んでなかったんだろう!初期作品だなんて思えない位、読み応えのある作品でした。市井の男たちのお話が好きな私としてはどハマりでしたけど、だからこそ文体や設定、心理描写が大切で、年齢を追って双方の気持ちを知りながら読み進めていくのが、苦しいけど、手が止まらなかった。そう、若い頃の後悔と、失ったからこそ見えた互いの気持ち、取り戻したいけれど取り戻すことが容易でない現実が、丁寧に描かれていました。さすがです、本当に。最後、タイミングって、どうしようもないけれど、それをなりふり構わず打ち破って水野に頭を下げた阿久津。そこに至るまでの2人の過去、現在を、再度読み返したくなる秀逸の作品でした。
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