黒い後見人
」のレビュー

黒い後見人

ss

見え隠れする教養に裏打ちされた説得力。

ネタバレ
2025年6月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作家さんの他の作品も読んでいるのですが、やはり魅力的かつ露悪的な男を描くのがすこぶる上手い。どこか超越的でありながら可愛くも思える主役二人のやり取りに魅了されます。本作は悪魔と人間の関係を描いていますが、これまで世に送り出されてきた悪魔を主題とする圧倒的名作の影が過るような濃厚な読み味です。語ることなく読み取らせる人物の背景や心情。手書きで入れられた影の一つ一つ。そういった細部から匂い立ってくる作者のこだわりが凝縮された一作。韓国本国では2巻まで出ているようなので、ぜひ続刊も翻訳配信お願いします。
2巻まで読んで追加感想。
2人がより愛おしくなる外伝。いつまでも浸っていたくなる独特な読後感に酔いしれます。ルースは何も欲さないようなエリヤに惹かれた。けれどそれゆえに不安なんだろうなと。ルースが与えたであろうささやかな富(絹の服とか)が逆にエリヤを人間の間で孤独にしているのがなんとも皮肉でよかった。
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