お父さんが早く死にますように。【単行本版】
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お父さんが早く死にますように。【単行本版】

裏海マユ

考えさせられる

ネタバレ
2025年6月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルに興味を持ち、読み始めました。父親は言わずもがなのクズ。母親は現実から目を背け、被害者である長女のケアをせず、むしろ責め立てるという最悪っぷり。この母親は後に詫びてくるのだが、自分勝手極まりない。父親の事故は偶然とは言えいい気味としか思えず、次女の行いには称賛こそすれ、咎める気にはなれない私。ただ、自分の行いが間違っていると心の奥底では思っている次女が見る幻影には早く乗り越えて欲しいとしか言えない自分が不甲斐ない。タイトル通り早い段階で亡くなる父親だが、次女の幻影、長女のトラウマという意味での【死にますように。】は長い年月が必要となり、姉妹の仲違いが長きに渡り続く。ラスト、姉妹は仲直りするのだが、ここまで深く想い合う2人には、この先、ただただ幸せになって貰いたいと思う以外言葉がありません。
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