王子と乞食
」のレビュー

王子と乞食

河井英槻

貫いても地獄・別れても地獄の純愛◎

ネタバレ
2025年6月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ (全3巻)初読み作家さんのヴィクトリア朝買いなのですが、
足掛け二十年近い完結作と知り驚きました。
今まとめて読めることに感謝ですね。

19世紀ロンドンを舞台に、仮面舞踏会で互いに一目惚れした天才少年と美青年の壮絶な身分差禁断愛、カイとユキの話。

スラムの物乞いから伯爵の愛人となったユキ、産業革命時代の重機工業界、タブーの同性愛などハードな背景での、貫いても地獄・別離ても地獄のドラマに目が離せなかったです。起業家として頭角を現した天才少年カイの一途な愛には、私の方が心が折れそうだったけど素敵な3巻表紙を信じて読みました笑

共感しづらいのだけどユキと伯爵夫人の諦念描写が良かったし、冷酷バスカヴィル伯爵はじめ登場人物を憎めないドラマに仕上げていて素晴らしいと思いました。ただショタが地雷なのでカイがお子ちゃまじゃなきゃなとの思いは正直消えず。ラスト美青年に成長したカイがまだ十代ということに驚愕!!アノ出逢いは一体何歳だったの⁈そこに全て持っていかれた感もありますが笑、読み応えある愛憎劇三冊を読めて良かったです。
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