飴とキス
」のレビュー

飴とキス

秋平しろ

あま〜い(しょっぱい涙も一粒)あま〜い

ネタバレ
2025年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家買い3冊目にして初コミックスにあたりました。時系列でなく手当たり次第に読んでいるからか、これまで読んだ3冊とも絵の雰囲気が違います。でもどれもすごく好きです。

ショップ店員の自称地味メン前田くんと、彼の憧れの人楊井さんの恋物語。
遠恋でああいう思考になってしまうの、前田くんの過去を思うと仕方ないことかもなって思った。小さい頃に揶揄われいじめられたことって当事者にとってはきっと後々まで引き摺る。
大好きな楊井さんから好きだと言われ付き合っても、それまでずっと自信なく生きてきた自分が急に変われるわけはなく、むしろ私はそんな器用ではない前田くんが好きだ。でも疑心暗鬼も行き過ぎると自分も相手も疲れさせ傷付けてしまう。難しいところだね、経験値上げるしかないのか。前田くんはこれからよ。好きな人に愛される毎日を送ることできっと自信がつき、ますます可愛い男の子になるはず。相手の楊井さんは充分それをしてあげられる優しく懐の大きい男性。可愛いよねえフリーペーパーに載るかも知れない話を前田くんから聞いた時、ぴよーんと飛び跳ねながら自分のことのように喜んでくれて。自分を卑下することは自分のことを好きな人に対し失礼ということも教えてくれた。最初のキスの時、この人ちょっと胡散臭い何考えてるんだ、と思ってしまった私を許して。ここまで前田くんにベタ惚れだったとは〜!

本編も描き下ろしも良かったんだけど、カバー下漫画と最後のおまけ漫画が最高におもしろかった。「飴とリス」の楊井リスさんと、「スパにて」の前田くんで筋トレするワニさんにタックルをかまし、ひゅーんと飛んで行く前田くんに大笑いしました。
既読の「巣箱の王子様」も「トワイライト・アンダーグラウンド」も何箇所も笑わせてもらったけど、初コミックスからして笑いのセンス抜群だったんですね!
さあ次はどれ読もう。「僕らの群青」が気になる。値下げ来ないかなー(せこい)
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