このレビューはネタバレを含みます▼
オメガバースというファンタジー設定で「リアル」というのは変ですが、
なんていうか人間の業(ごう)とか性(さが)というものが表現されていてリアルでした。
第二の性が判明した途端、歪んで壊れていく人間関係。
それまで親友だった相手に突然強〇されそうになる。それまで自分がカースト上位だったと思っていたのに、突然底辺に叩き落される。
オメガバではよくあるエピソードだけど、akabeko先生の描き方がもうなんというか生生しくて、
ちょっと鼻持ちならないと思っていたキャラクターゆかが、急に可哀相になって泣きそうだった。
自〇したくなる気持ちも痛いほど伝わる。
1巻では、ひとまずハッピーエンドに収まったかな、あぁ良かった…。と思いきや
描き下ろしで「えっ…嘘、ヤバ…!」ってなって、でもまぁちょっとした「実はね」な小話なんだろうな、え、でも2巻続いてるねぇ… まさか!?
と思ってそわそわしながら2巻を読んだら、
えええ!大我じゃなくてそっち!?
1巻で「第2の性」に翻弄された子達が、数年後の2巻では、今度は「運命」に翻弄される。
2巻から新登場の倫、奔放な印象だったけど、本当は「安心」を切望してた。
他の方のレビューで「あんなに運命に固執していたくせにコロッと大我に転んだのが共感出来ない」というコメントがありましたが、私の理解では、倫が薫に固執したのは「運命なら裏切らない」からであって、薫に恋愛感情は無かったんだし、おそらくもともと倫は大我に好意があったわけだから 大我が安心を与えてくれるなら、自然な結果に思えました。
1巻であんなにムカつく奴だった大我が、倫の為に我慢したり奔走したりするのがしびれた…。
薫とゆかも1巻ラストよりも更に本当の意味で幸せになって、良かった…。
と思ったら、3巻ではさらなる試練が!!!
もうやめたげて…(泣)。
副作用で記憶障害になってしまった倫、とても悲しいけど、記憶が後退したことで、大我が気付いていなかった倫の本当の気持ちを知ったし、そのおかげで倫への愛も覚悟も確固たるものになったと思う。
本当に感動的だった。悲しいこと盛り沢山だけど、全員が1巻の頃からは考えられないほど人間的に大きく成長して、世の中も少しずつ変わっていって、最後の最後で本当に幸せになった。
薫も、裏で地味~にだけどw世界を変えた!
絶対に3巻まで読んで欲しい!!