主人公にはなれないけど
」のレビュー

主人公にはなれないけど

桃子すいか

ほん𝓶𝓸𝓷𝓮𝔂しんどい

ネタバレ
2025年6月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先生が後書きで「読んでいてしんどいと思う話を〜」と仰っていましたが、し、しんどい…………。

柔らかなタッチですごく素敵な作風と三角関係に惹かれて購入しましたが、なんでしょう、この柔らかで暖かい作画が無防備になった心臓の柔いところにグサグサ刺さって心臓を雑巾絞りされているような苦しさを覚えました(褒め言葉)。
登場人物みんな良い子(人)しかいないだけに一方通行で回る想いが誰の視点から見ても幸せになってほしくてしんどかったです。ほんとに!みんな良い子!一花ちゃんも!諒も!!そして有島さんがいい男すぎたので、最終話のもし同級生だったら〜の回想まで切なくなっちゃって、おまけのイメチェン拗らせ有島さんで少し救われました(笑) ここまで想ってくれる人が近くにいることを結局本人に伝えることなく身を引く男…文哉に幸せになってほしい一心ですよね。これもまた愛でしかねえ。
モノローグとかセリフの言い回しとかも全てすごく良かったです。あと「行くな」って心の中で叫びながら諒のところに送り出しちゃってしゃがみ込む文哉と、寂しいって雪の中泣いてる海斗の1ページ使いが印象的でぐっときました。
海斗が帰省して、気持ちを自覚するまでの流れもめちゃくちゃ良かった…。「じゅうぶんすぎるぐらい愛だと思うな」と「海斗はまず自分を愛しな」の一花ちゃん、大好きなセリフです。幼馴染トリオ、それぞれがお互い得がたい存在すぎて。
後日談では数年後のみんなが見れて、変わらず交流が続いてること、文哉と海斗がふたりでいることに感涙の私です。みんな一生一緒にいてくれや…。

涙がぽろりとこぼれてしまうような、なんか本当にまるっと「愛」だな…とBLとかそういう垣根も忘れて刺さりました。素敵な話だった。
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