銀の雫の降る都
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銀の雫の降る都

かわい有美子/葛西リカコ

静かに流れていくお話し

ネタバレ
2025年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 打算無く自分を買い取り、手元に置き、教育を受けさせ、やりたい事を自由にさせてくれた美しい人に捧げる愛。その美しい人は高貴な血統ながら身体が弱く、家族からも愛されずに育ち、辺境地の追いやられ孤独で孤高。そして愛される事にもあまりにも不器用。純愛から肉体的な愛へと変わっていくその様子は作品の雰囲気を壊すことなく優しく素敵でした。

全てに関して正反対の2人。受けは科学が発達した中央都市の公爵家の長子で病弱、攻めは辺鄙で野蛮な土地の出身の闘士で口減しの為に兄妹で売られてしまう。超歳の差&格差設定、おとぎ話にSFが混ざる素晴らしさです。最後、受けがクローンで再生しますが、この生き返りを『魔法』では無く科学の力でというのは興味深いです。
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