秘密の森の魔術師はのどかを願う 【電子限定特典付き】
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秘密の森の魔術師はのどかを願う 【電子限定特典付き】

蔓沢つた子

とにかくストーリーが素晴らしい

ネタバレ
2025年7月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ つた子先生の作品の中で一番好きかも!
膨大な魔力の器と揺るがない立場を持つのに、魔力の生成が出来ずに誰かから分けてもらうしかないフィオと、
魔力は国の誰よりも強大なのに使うことを許されず誰かに分け与えるしかないシャガール。
これほどピッタリなカップルがいるでしょうか。
しかもアッチの相性も抜群。
ものすごく面白い設定だと思いました。

そしてその設定がとても細かいところまで練られている為か、台詞やモノローグなどの文字が多くても全く疲れません。それら全てがストーリー展開に必要不可欠なものに感じられるからです。
むしろ読み応えがあって、1巻を読み終えたときには既に2冊くらい読んだ気分でお得感増し増し。
実際にも、上巻256、下巻272(総ページ数)で、かなりのボリューム!
屋内でも森の中でも背景がとても丁寧にガッツリ描かれていて、絵の見ごたえも抜群!!

メガネキャラ(しかも中年)は実は好きじゃないんです。しかもシャガール(主人公・受け)の眉毛が常に「へ」の字で、変。(せめてえっちの時くらいメガネ外してよー!って思っていたら、あとがきによると、作者様が絶対に外さないという信念でお描きになっておられたそうです 笑)。
だけど、ルソー(当初の攻め)の見た目はドストライクで「おっ」と思っていたら、こちらは中身が結構クソ(メタ的にシャガールのこと好きだろうなとすぐ分かったのですが、扱いは酷いし怪我も放置するし口汚いし。そりゃシャガールも若い時は尖っていたし、2人の関係性というものがあるのは理解出来ますが)。
え、ええええ~~~…と思っていたら、来ましたよ!王子様が!
年下ワンコで我儘だけど素直で可愛い。褐色の肉体美で才能もあるなんて素敵。顔面もまさに王子。

途中まで、シャガールの置かれている状況があまりに理不尽で可哀相に思えましたが、彼の元々の性格や達観している様子など、悲壮感は打ち消すように描かれているのが救いかと。
それにその不遇な現状があるからこそ、王子から大事に扱われることが特別素敵に感じて良い!!
そして大事にしつつ、若さと恋心ゆえの力まかせなえっちもまた、甘美でございます。

最後はとっても平和に皆が幸せに収まって(ルソーを除く?でもアイツはシャガールを幸せにする気など無かったから良いんです)、ハッピーエンドです。
まじで読み応えあったー!お腹いっぱいです!
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