鬼は今日も雨を待つ
」のレビュー

鬼は今日も雨を待つ

古澤エノ

日本の四季を司る鬼たちの和ファンタジー

ネタバレ
2025年7月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 季節を司る鬼は、順番に人間界に赴き、それぞれの季節を巡らせます。少年の乎春、青年の立夏、愁、冬刃に加えて、春と夏の間……梅雨の季節を担うのが、まだ年若い涙(るい)です。涙は毎年、立夏を起こしに行き、一緒に人間界に下りてくるのでした。数年前に邪気を使い果たしたという立夏を、涙は心配し一生懸命に支えようとしています。そんな涙に立夏は、効率的に邪気を取り戻せる方法があると言います。涙は恥じらいながら、「オレでよければ食べて下さい」と言うのでした。四人の美形の鬼たちは、いずれも鬼らしくはっきりしたキャラなので、新入りらしい涙の儚さが際立っています。使い魔のキツネの琥珀、ツバメの柘榴もモフモフと素敵です。なんと言っても小鬼(ツノを2本生やした子猫たち)がめちゃくちゃに可愛いです。衣装、小道具、背景など全てが丁寧に描かれている和ファンタジーでした。
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