なかないひばり
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なかないひばり

ミナヅキアキラ

なかないひばりが泣いた時

ネタバレ
2025年7月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新進気鋭の写真家•清澄は、高校3年生のひばりと二人で暮らしています。清澄の親友で、アシスタントもしていたひばりの兄のみさごが2年前に事故で亡くなり、清澄は他に身寄りの無いひばりを引き取り後見人となったのでした。みさごの事故は、呼び出した自分のせいだと罪悪感に駆られる清澄は、ひばりの自分に向ける想いに気づきながらも応えることができません。子供扱いされまいと、大好きな兄の死を乗り越えようと、精一杯強がるひばりは決して泣かないし、哭きません。そんなひばりの想いが切なく、ラスト近くで清澄を心配するあまり初めて号泣するシーンでのは、やっと泣くことのできたひばりの姿にほっとしました。大人の狡さと子供の真っ直ぐさ、大人の余裕と子供の焦り、絶妙な年齢差と亡きひとを巡る立ち位置とがストーリーをガッチリと形作っていました。
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