パブリックスクール
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パブリックスクール

樋口美沙緒

高貴で奥深い作品!

ネタバレ
2025年7月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ まだ、3巻までしか読んでいませんが、すごく良かったです‼︎ この本に出逢えて良かった、、、!表紙が少し暗い感じでスルーしていたのですが、その表紙がある意味期待を裏切って、読めばこの表紙がこの作品のすべてを表しているかのようです。孤高の王エド、なにもかも諦めているような、でもその奥には激しい情熱を秘めているエド。作者さんも3巻のあとがきで書かれていますが、ほぼ礼の目線で物語は進みながら、これはエドの物語だと感じます。その苦悩を正面から受けとめ、礼を得られなければ魂が死んでしまうほど愛していながら、礼が自分を愛することは、礼を傷つけ、苦しめてしまうことを分かっていてもなお、求めずにはおられず、それを受け入れてもらえるかずっと怯えていたエドの独白を読んだ時、大袈裟ではなく涙が止まりませんでした。すぐに再読決定!また1巻から読み直さなければ‼︎

しあわせとは、表面上だけではなく、心の底から愛し、その愛によって失ってしまうものや傷つくことも受け入れる2人をみて、素晴らしい作品に出逢えたことに感謝しています。本当にBLの枠を超えた読み応えのある傑作です!正直、レビューが少ないのが信じられない。世間の皆さま、もったいない〜‼︎

また表紙、挿絵が秀逸で、世界観を余すところなく現しています。うっとりしながら物語の世界にグイグイ引き込まれます。美しく独裁的な孤高の王エドと、どこまで傷つけられても、儚くも愛することを諦めない礼。こんなに奥深い作品とは、そうそう出逢えることはありませんね。残りの作品も楽しみにしています!

【追記】4・5・6巻読後です
4・6巻は、これまでのエド&礼、とは違う、スタン&桂人CPのお話です。スピンオフでもなく、学年もかぶっていないリーストンスクールを舞台にしたお話でした。
衝撃の3巻を読み終わった後なので、すんなり物語に入れるか心配でしたが、余計な心配でした‼︎すごくすごーく良かった‼︎この2人のお話、まだまだ読みたい‼︎って思います。難ありなのはやはり貴族の方のスタンの方で、桂人は礼よりもっと悲惨な状態では、、、と思いつつも、賢くて強いんですね。次第にスタンにも皆に愛され解放されていく桂人ですが、対するスタンはとても臆病で。2巻かけて、エドの脆い心が桂人の力を借りて自分で解決していく様は切なくなる場面も多かったですが、最後は泣けるほどいいです!
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