極楽にゴースト【電子限定かきおろし漫画付】
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極楽にゴースト【電子限定かきおろし漫画付】

茶渡ロメ男

ストーリーの重さと軽さのバランスが◎

ネタバレ
2025年7月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いで積ん読から。Webライター右(たすく)×小説家・羽鳥のお話で、表題作のみ全4話+描き下ろしで合計187ページ。人気なのに一切顔出しをしない有名小説家・獺郷才に取材を取り付けることができた苦労人Webライターの右。ところが獺郷の家で待っていたのは謎の青年・羽鳥で…というお話です。何気に茶渡先生の作品すごい好きで、多分全作品持ってるんですが、個人的にこの作品が一番好きかも。右が、書く才能が枯渇してしまった焦りや嫉妬だとか、右が賞をとった作品とのリンクが絶妙だし、作中内の小説「この世の果て」がバッドエンドなんですが、一方で救済であったり、同じ作品でも読み手が変われば受け取り方も変わるんですよね。破滅と希望が、明らかに相反するベクトルなのにちゃんと同時的に存在するんだなぁと。絵柄もすっきりしていて読みやすいです。羽鳥のはだけたシャツから覗く素肌が色気たっぷりだし、万年筆と原稿用紙とか、古いんじゃなくてまさに官能的という表現が合うんじゃないかなと思います。かなり薄めの修正も特筆事項です。
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