かわいいはいとしい【コミックス版】【シーモア限定描き下ろし漫画&電子限定描き下ろし漫画付き】
おもい央
このレビューはネタバレを含みます▼
あるもの。『かわいそ可愛い』って、BLでも二次創作でも比較的キャッチーな性癖ですよね。もちろんマジョリティではないけれど、ニッチな性癖よりは比較的市民権を得ている。不憫萌え。我々読者が性癖として消費している『かわいそ可愛い』の奥底にあるものを掘り下げた作品。かくいう私も好きな方。ただ、この『かわいそ可愛い』を根底まで見つめると性癖不一致も多発する。1、そもそも根底がないファッション感覚タイプ。2、純粋に不幸な目に遭ってるのが好きなドSタイプ。3、かわいそうの理由が好きなタイプ。私が好きなのは重くてしんどい3。今作品もその他カテゴリに思います。かわいそうってつまり他人の不幸なわけで、それを可愛いと嗜好する我々。司の傷口を見せてもらって、ウワア可愛いと思う我々(とタカラ)。控えめに言って人間としてヤバいけど、性癖なので仕方ない。しょうみタカラは我々の性癖根底と向き合う役割を担ってしまった攻めです。性癖なので個人差や諸説あるとは思いますが、私もタカラ同様『しんどいけどギリギリのところで立ってる司のような人間』が好きで、かわいそ可愛いを患っています。我々の性癖代行者であるタカラを見てお察しかとは思うけど、かわいそ可愛いを愛する人は感情がド重い。一読者である私も大概重い自覚がある。他を軽いと言うわけではないですよ。大事なものは一生根深く忘れない、重くて堅くてしんどくてじめっとしてるタイプってことです。大変良かった。ファッション感覚や不幸愛好家のかわいそ可愛いとは根本が異なる。非常に良かった。司の『かわいそうの道具にしないでくれ』『惨めな存在にしないでほしい』という魂の叫び。そして、それを“伝えたい”相手(タカラ)がいることの幸福。更には、タカラがそれを聞き入れて変わったこと。全部が美しくて素晴らしい。もちろん作画も最上級にビューリホーです。脇役もみんな楽しい。特にバーのママ。めっちゃ美形なお顔に、しっかりと太い首。最高の最高。そして、弟893。オラついてるバリネコ。ずっと最高が止まらない。ありがとうございました。あと、単行本出版日が先生の誕生日の少し後ということで、おめでとうございます!おもい先生と、全てのかわいそ可愛いを愛する人に祝福を。それはそうと、最後の最後で「おっぱい吸うか?」はズルいのよ!!!タカラだけでなく全人類が「吸う!」って言うにきまってるだろ(笑)!!!
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