穢れのない人【コミックス版】
」のレビュー

穢れのない人【コミックス版】

虫飼夏子

人権とは何か?

ネタバレ
2025年7月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本当に人を選ぶBLだが、私は胸糞悪い話が好きなのでこういうBLが読みたかった。萌え(死語)はない。ただ本当にずっとぐるぐると考えている。
まず、木場の服役年数を考えると日本の司法制度への怒りが湧く。
中学生で強⚪︎殺人→15年後に秋鷹と再会(恐らく28〜30歳?)→服役(?年)→秋鷹と再会(40代?)
秋鷹の刑期が15年だったので、同じくらいだったとしよう。6歳の子供を強⚪︎殺人しておいて、それでも短い!木場と秋鷹が生きて再会するとは思わなかったが、現代の日本は性犯罪に甘いので、有り得る話ではある(特に男児だと余計ではないか?)のが妙に「現実帯びて」いて、上手い。
レビューを読むと、単話7話の後日譚も必ず読んで欲しいと書いてある事が多く、同時に購入したが、コミックス版だけだと「男2人の物語」としては希望を持って終われるのでここで終わったのかもしれないが、後日譚もコミックス版に含めて欲しかった。印象がまるで変わってくる。
コミックス版だけ読むと、罪人にも愛し愛され幸せになる権利はあると「頭」では理解しているものの、現実の性犯罪者が結婚したとSNSで知るとギョッとしてしまった自分が居るので、あんな悲惨な事をして幸せになろうとしている。でも、現実は勧善懲悪、因果応報という訳ではない。もう罪は償っているし、幸せになる権利はあるが……う〜んと頭を抱えていた。この漫画がフィクションである事が救いだ。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!