朝とミーチャ【おまけ付きコミックシーモア限定版】
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朝とミーチャ【おまけ付きコミックシーモア限定版】

ビリー・バリバリー

2人で乗り越えました

ネタバレ
2025年8月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 朝は幼い頃に両親を亡くし、父親の兄であるおじさんに育ててもらう。両親を事故で亡くしただけでも悲しいのに、お父さんは朝を助けて亡くなられてるので、自分の命に変えてでもという親の深い愛情は、残された子供には深い悲しみと罪の意識を残してしまう。
さらにおじさんは兄の嫁である朝のお母さんに恋をしていた。そのおじさんのことを朝は恋してしまうが、拒否されたことにより家を出て悪い大人と繋がってしまう。
子供である朝が不幸になる必要はないのに、繊細な心は傷つき彷徨い簡単に裏の世界へ連れ込まれてしまう。
そんな不安定な生活の中で出会ったミーチャに一目見て惹かれた朝は、すぐに体の関係をもつ。
ミーチャには親に捨てられた過去があり、怒りも悲しみも閉じ込めてしまい、感情に起伏がなく幼さ残る思考だけど、朝と過ごすうちに感情が豊かになり、心の強さを備えていく。
2人が道を踏み外さずに歩んでいくためには、自らが抱える問題から逃げずに向き合い乗り越えていかなけらばならない。
その為に2人に必要だったのは、愛されることと愛すこと。朝はミーチャに一目惚れしているなかで、ミーチャは片時も離れたがらないから、一目惚れから好きという感情になっていったかな。
ミーチャは誰かに必要とされたかったなかで、とても不安定な朝が四六時中求めてくれることで好きという感情になったかな。
朝が不幸になる必要がないなかで、悪い大人である帝にひっかかったのはかわいそうでしかないけれど、朝とミーチャが唯一無二の存在になれたから結果よしです。
朝とミーチャの周りにいる友達がアホなんだけど、めっちゃいい奴たちで、仲間の存在があるというだけで乗り越えられる力をもらえるんだと思えて良かったです。
子供の頃に痛い目にあってでも乗り越えておかないと、帝のようにすごく遠回りして、無関係の人まで巻き込んでしまうほど厄介な人になるのだと、その辺りのこともうまく描いてありました。
おじさんに関しては、一番めんどくさくて嫌な大人でしたね。優しさの履き違えな自分が一番かわいいおっさん、ほんとタチが悪いです。
そんなに辛い場面や痛い場面などもなく、意外と読みやすい作品でした。
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