神風怪盗ジャンヌ カラー版
」のレビュー

神風怪盗ジャンヌ カラー版

種村有菜

泣きました

ネタバレ
2025年8月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「神風」とは「神の息吹」と「神の愛」のことだったのですね。
聖書の神をずっと優しくしたような世界観。
堕天使フィンが許されて、まろんの娘に転生する大団円でした。

 魔王との最終対決は、かつての「心を閉ざした弱い自分」を抱きしめることで結着がつきます。
初め3ページのモノローグは種村先生ご自身のどうしても他人に言えないイヤなところ。
最後の4ページはそれを乗り越えた現在の心境だそうです。

 明るく強いヒロインは両親の手紙を待ちわびる寂しい子でした。
稚空の裏切りに気がついた彼女。その涙には胸を突かれます。
泣き疲れた彼女が、級友に気がついた途端輝く笑顔を見せるのはいじらしい。

 寂しい思いを隠せず泣く彼女を抱きしめる稚空。
相思相愛になった後の紆余曲折はじれったいですね。
 まろんは表情豊かで可憐。ときどき美少女にあるまじき妄想ゼリフが炸裂します。
 弱気の水無月くんをジャンヌが励ましシンドバッドがフォロー。息もピッタリ。
まろんの両親の馴れ初めを稚空が聞かされていたと知った都。寂しさと安堵の混ざった顔。

 デジタル彩色は見やすくて綺麗です。
欄外のミニエッセーやファンとの交流も楽しくて、少女漫画の魅力を教わりました。
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