このレビューはネタバレを含みます▼
暑い暑い夏にリンクして、熱いけど甘酸っぱいような、少しビターなような、そんなひと夏のDK達の恋模様に癒されました。ストーリー的には、どこかで読んだこともあるような設定なんですが、作家様の画と攻めの啓太(たぶん?)目線で進んでいくなかでの、受けの倫也の表情や言葉に、なんだか切なくなったりドキッとしたりで、私の情緒も攻めと同経緯でモダモダムズムズしながら進んでいきました。ずっと幼馴染の啓太に片想いしていた倫也は、引っ越しが決まった時点で、淡々とさらっと啓太に告白したけれど、離れてしまうから…からの諦めなのか、気持ちを吹っ切るためなのか、その後も倫也は淡々としています。それが、こちらからするとかえって切ないというか、健気というか…。倫也の啓太に対する対応とかセリフに、自分が啓太になったかのように、胸がギュッとなります。作家様お上手です。まだ恋がどんなものなのか分からない啓太は、なかなか自分の気持ちに自覚が持てず、ぐるぐるグルグル感情や想いが巡り巡ります。引っ越す時ですら淡々と、微笑んで去っていった倫也。その本心を少しだけ大人の自分が想像すると、まあ辛い切ない。でも、幼馴染だった関係から恋愛への好きがどんなものなのかを理解するのに、高校生ならやっぱりそのくらい悩むよなぁ…。下手に上辺の言葉を発することの怖さもちゃんと知ってる啓太。自分の気持ちを自覚して、倫也に会いに行った時、倫也が泣いてるのを見て、やっとかぁ…やっと泣けたかぁ…辛かったよねぇ、苦しかったよねぇ。と、啓太のかわりによしよししてあげたくなっちゃった。私も高校生に戻ったかのように、素直に可愛いなぁ…と思えたこの作品。暑いこの時期だからこそ(暑いだけでイラち度が上がっちゃう今日この頃なもので…)終始甘酸っぱい可愛さに、読んで癒されませんか?