妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~
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妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~

橘ちなつ

最後まで一気読みしました

ネタバレ
2025年8月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 子供を寝かしつけた後の幸せ時間に読みました。これは妊娠、出産を経験した女性たちみんな、読んだら泣いてしまうと感じました。産褥期精神病、恐ろしい病気だと思いました。主人公のお父さんの気持ちも分かります。でも、看護師さんの言葉に、すぐに反省されていて、本来は聡明な方なんだろうな、と思いました。だから余計に辛かった。
また、入院の描写、“モノ“として扱われることへの辛さもわかります。私自身も、切迫早産で2ヶ月間、入院しました。物語には婦人科の方がまだ、理解しているとの描写がありましたが、私は婦人科でのあの2ヶ月間の入院が死ぬほど辛かったことを思い出します。急に入院だと言われて、いきなり点滴を打たれ、自力で歩くなと言われ、何をするにも看護師立会のもとで行わなければならず、で、気持ちが追いつかなかった。娘にも会えなくなり、本当に辛かった。でも、何が辛いかって、看護師さんに気持ちを伝えても「あーそうですねー。でも赤ちゃんのために頑張らないと」で、終わらされてしまうこと。けれど、私も高坂さんのような、温かい看護師さんに出会って救われました。その方がいてくれたから、乗り越えられました。医療に携わる方に伝えたいのは、忙しいのも大変なのもすごくよく分かります。けれど、あなたの一言で救われる場合もあれば、どん底に叩き落とされる場合もある。志高く使命感を持って取り組まれて欲しい…。
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