このレビューはネタバレを含みます▼
かなり好きな作品です。
人物像の描写も話も充実してて読み応えがありました。親に捨てられた子供が、幸せで愛に溢れた家に引き取られ愛情に包まれても、なかなか埋められない空虚な心の隙間。それを、幼い春が、圭が笑ってても笑ってないんだと気付いたり、悪夢を見ないように支えてあげたいと思ったり、敬遠せずに理解しようとする気持ちがすごい。手を差し出す方にも難しい事だから。初めからか次第に変わったのか、春が圭に恋心を抱き、そして大切にする気持ちや、他の家族の温かい気持ち、圭が人からの本当の好意に気付いて心の隙間が埋められてく過程が丁寧に描写されていて、心に響いてきました。色々な人の心理が埋め込まれていて、沁みてきます。その中でもやはり、瑠璃子に話をしに行った春の気持ちが一番ぐっと響いてきました。強い特別な愛情だけが、心の奥まで届いて、圭を気付かせて変えられる力を持っていて、そこまで諦めずに想い続けて促してくる春の気持ちの強さがすごく素敵。
心を持ったキャラ達がすごく良くて、展開も面白くて絵も綺麗で、すごく好きな作品です。