金魚の夢
」のレビュー

金魚の夢

長崎さゆり

感動するより不愉快さが勝った

ネタバレ
2025年8月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ ……これ、作品内容説明文、合ってるの?恋の話には見えなかったし、作品数も4作品って書いてあるのに5作品あるよ……?
194ページ、5作品入りヒューマンドラマ短編集。
作者さんととにかく感覚が合わなかったようで、感動するのではなく不愉快になったり、不愉快にはならないまでも冷めた目で見てしまうような感じでした。私は、努力した人が報われる夢のある話が好きなのです。

〜〜〜以下愚痴〜〜〜

2作目の『ろくでなしの夜』のろくでなしっぷりがひどくて、本当にクズだなコイツ、と思いながら読んでましたし(キレイっぽくまとめてたけど、死んでなくて運が良かったというだけの話だよね)、他責思考だったりなんとなく流されていく感じだったり、イラっとする率が高かったです。まあ、こういうこと言ってると「偉そう」とか「不幸を知らないから言える」とか揶揄されるかもしれませんけどさ。
表題作が本当に腹が立って仕方なかったです。
感動を描くために、主人公に与えられる不当な不幸とそれを背負わせたまま良い話風に締めくくられるラスト。この話はひたすらに主人公が虐げられただけの話であって、そういう「かわいそう」さを「感動」にすり替えるのが本当に苦手です。お金を取られたことも腹立たしいですが、大将が「すまねぇ」とか言って泣いてたのがめっちゃくちゃ腹が立ちました。結局この大将は、娘を主人公に嫁にやりたくはないし、店も本当は娘とその婿に継がせたいし、主人公が居なくなって良かったと思ってるんでしょ。口ではきれいごと言ってても、所詮は不幸な主人公を憐れんで施しをすることで悦に入ってただけでしょ。ってかまず主人公を探しに飛び出せよ、悲劇ぶってないでさぁ〜!
……これが捻くれ者の思考回路です。すみません。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!