絶望に啼け
」のレビュー

絶望に啼け

紫能了

物語の「重み」と読後の疲労感が癖になる

ネタバレ
2025年8月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ ドラマ性のあるストーリーで、満足感が凄まじいです。私はエロだけでなくストーリー性の厚い作品に惹かれるのですが、この作品は本当に重い(いい意味で)。重すぎる。そして満足感と共に襲う疲労感(いい意味で)。これはすごい。すごい作品に出会ってしまった…というのが一番の感想かな、笑
ストーリー展開はもちろん、紫能了先生の描かれる身体の肉体美には脱帽です。エロシーンがちゃんとエロい てか官能的すぎる。一種の美しささえ感じるので、絡みのシーンがあることで物語をさらに厚くさせてるんだとおもいます。あと普通に絵がうますぎる。
最初だけリバ(というか、攻めが受けにレ◯プされた過去があるという…なんともむごい展開)があります。私はリバが大の地雷なのでうお〜これはまずいかな〜と思っていましたがその後はちゃんと内海×赤嶺に固定されるというレビューを見てギリ許容範囲でした。それと、赤嶺には片想い相手がいて、おそらくその相手を抱きたいということからタチ願望が読み取れ、ここでも、ウッ地雷踏み抜きそう!大丈夫かな!?と身構えていたんですが、そんな拒否反応を覆すほどのストーリー展開でした。
赤嶺と内海は所詮、好きな相手に振り向いてもらいたくても振り向いてもらえない人たち。執着心だけが膨れ上がって、今後一生孤独を感じざるを得ない、可哀想な人たちです。それでも二人隣にいる選択をしてくれて、どこか救われた気がしました。全部解決♪大団円♪という感じではないですが、この二人が歩みうる唯一で最善のハッピーエンドがこれだったのだなと思います。どうにもならない現実とどうにもできない感情に苦しむ日もあるだろうけど、そんな中でも希望を持てる終わり方でした。少なくとも二人は今、幸せなんだろうな。
こんな素晴らしい作品に出会えて良かったです。何度も何度も読み返したくなる作品だし、読み返すたびに出汁が出ます。ストーリー重視の方はぜひ!!
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