妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~(分冊版)
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妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~(分冊版)

橘ちなつ

んー

2025年8月18日
精神科勤務経験者です。
産褥期精神病は認知されていないかもしれませんが、ムズムズ脚症候群としては産後の精神症状として結構あります。

妊娠出産の身体的変化、負担からくる症状で、夜になると脚がムズムズするのか発端です。悪化するにつれて日中なども脚が動くようになり、不眠や食欲減退、精神不安定などがでてきます。
早期に受診して服薬で治る方もいれば、なかなか合う薬がなく悪化する方もいます。
原因が妊娠出産への不安からなのか、ホルモンなのか、環境変化へのストレスなのか、個々で異なるからです。
また婦人科、精神科、産科で、扱う薬が違うため、見つけられない場合もあります。

妊娠出産は個人的な出来事として過ごしていく雰囲気ですが、パートナー含め、多くの人と関わりながら過ごすことが、精神的にも安定していくと思います。

医療従事者としは、「現実を守ること」が閉鎖病棟の医療を続けることに繋がります。
患者さんの空想や幻覚、嘘を認めてしまっては身体的治療はできません(心理療法士さんは別)。あくまで病気を治す場である以上、現実的対処で「今の状況」「あなたの状態」「外の世界(現実)」を患者さんに認知してもらう必要があります。漫画でもそのような流れになっていますが、完治に向かえば医療従事者の言っていることも単なる意地悪ではないと気づきます。

他の方のレビューを読んで、妊娠出産期の精神疾患の周知のなさを知りました。また、医療従事者への不満も拝見し思わず書きました。

ご不快になさる方がいたらごめんなさい。
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