祝福のチェスカ
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祝福のチェスカ

乃原美隆

天才!!

ネタバレ
2025年8月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 設定が面白すぎて咄嗟の語彙が死ぬレベル。大変興奮いたしました。
まず人間は超能力の有無で二分され、持たざる者に人権は無く獣として差別される世界。その旨記された経典もあって、支配側のどの国や宗教にも共通認識として根付いてる。そんな中、各国の支配者子息たちが生徒会よろしく自治を行う学園において、持たざる側である古代種イケメン皇子が入学を認められやって来るというワックワクのスタートです。
始めは通訳として活躍するハーフのヒロインに皇子たちがアタックする恋愛学園物かと思いきや…まさかのバベルの塔ストーリーの逆展開。つまり異分子加入によりいきなり多言語多民族の意思疎通が叶い、超能力の優位を失う世界が訪れる。それまで虐げられてきた者たちの一斉蜂起を防ぐため、はたまた武力を笠に有利な譲歩を引き出すため、それぞれの思惑や立場で奔走するメンバー達の話。知識量で成り上がった賢いヒロインの立ち回りが見所です。
いや…見所があり過ぎる。世界がひっくり返る原因となった儀式や神器、不透明な歴史はミステリアスだし、艶やかなのに可愛らしくコミカルなキャラ達は魅力的だし、オリジナリティに溢れてる。このような差別や軋轢は私達の社会に投影出来る共感も生んでて、初読の作者様ですが全方位天才だと思いました。
次巻が楽しみでいっそ苦しい。激烈オススメします。
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