このレビューはネタバレを含みます▼
野球の知識など皆無な人間でも気負うことなく読み終えることができたうえ、青春のお裾分けをいただき大号泣。
桃子先生は初でしたが、とても気に入り作者買い決定です。
80年代を彷彿とさせる優しいタッチの絵柄も印象的だし、まず、詰め込まれている情報量が半端じゃない。恋に友情に青春に将来に、それに関連した雄大の不調をメンタル面から紐解くという離れわざ…これだけの内容を一冊にまとめるだけでも大拍手なのに、肝心の、友情が恋に変わる過程がものすごく慎重に描かれていて納得のハッピーエンドでした。
雄大の立つマウンドと昌太郎がミットを構えるホームとの距離、18.44メートル。
「もしも友達のラインを超えて好きだと伝えたら…」
バッテリーを組むこと10年。先に恋を自覚したのは攻めの昌太郎。それから遅れること数年、友人のひと言をきっかけに雄大も昌太郎との関係性を意識し始め、思わず好き避けを発動し2人はいったんすれ違う。
お互いを好きで好きでどうしようもないけれど、想像できないことは実現しないとはなから進展を諦めていた昌太郎と、気持ちを打ち明けて拒絶されるくらいなら18.44メートルの距離を保とうと決心する雄大。
甲子園を目指すほどには意志の強い2人だから一時はどうなることかと思いましたが、昌太郎の勘違いを機にめでたく思いが通じ合い、(描き下ろし)高3の初冬、2人の距離が17.44メートル縮まってからのイチャラブたるや……尊さの逆光で前が見えません。
とにかく、昌太郎の雄大を見る目がずっとやさしいの。
気になるエチ、はっきりとした描写は擦り合いまで。最後までしているようなコマもあるにはあるのですが、いかんとも判定し難いです。
性描写は少なめでも、2人ともベビーフェイスなのにさすが体つきはガッチリしており、やたらエロく感じました。