それでも愛を誓いますか?
」のレビュー

それでも愛を誓いますか?

萩原ケイク

人生いろいろ…登場人物すべてに幸あれ

ネタバレ
2025年8月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最終回まで読了、いろいろ考えさせられて名作でした。レビューでは、真山君がいいと言う意見が多く、旦那派は少数な感じでしたが、個人的には旦那に落ち着いたのがリアルだと思いました。

【真山君】23歳でコミュ障っぽく描かれていますが、そうではなさそうです。きっかけの問題?先輩や同期から、きちんと評価されており、思いやりもある。主人公に真剣に恋をして、主人公を真正面から受け止める決意と誠実さが男らしい。このあたりは年齢ではなくて、人柄とか人格が物を言うと思います。年齢だけ重ねても、きっぱり覚悟を決めて行動できるかは別物です。
主人公は真山君に走っても、幸せになれた予感。レスで悩んでいたなんて嘘みたい…情熱的に愛されて、子供も授かれて、年下の貞操な夫と幸せな家庭。そういうのが予感できる資質が真山君にあるので、読者にフラストレーションを与えてしまったと思われます。まだ若い。次の良縁を掴んで欲しい!

【旦那】幼少期のトラウマは理解できますが、やはり問題あり。妻が真剣に悩んでいるのに、向き合わな過ぎです。レス5年は酷い。話し合いがない期間が長過ぎです。そのうえ元彼女にひよるとは、みっともなさ過ぎです。
しかし妻を思う気持ちはあり、激務をこなすのも、最終的には妻の為。不器用過ぎる。もっと早い段階で、きちんと話し合いを重ねていれば、主人公が苦しまなかったのに。主人公の親の介護を援助する姿勢は高評価。

【主人公】ちょっと頭で考え過ぎなのが短所。行動が先に来た方が解決することだって多いのです。夫婦仲で悩んで仕事を再開したのは正解。閉塞感を打開しました。
親の介護の援助を夫から受けていたのが、心理的にも経済的にも制約になります。それがなかったら真山君に走った可能性は上がっていた気がします。
最終的に夫を選んだのは、やっぱり夫との月日と絆の重みだと思えます。ただ年若い真山君との別れ方は良くない。嫌われて未練を残させない配慮かもしれませんが、夫を選んだと理知的に伝えれば、潔く理解するだけの度量が真山君にはあったでしょう。無駄に傷付けただけでした。

【元彼女】この人が一番リアル。シングルマザーで職場も温かみがない上に激務。誰かにすがりたくなって、心の暗部をさらしました。しかし生徒を見捨てず、一番大事な事は子供との幸せと気付き、立ち直ります。応援したい。

いろんな点で感情を揺さぶられます。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!