今月(8月1日~8月31日)
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隠されたヒロインの一面…切ないです2025年8月1日ヒロイン(白魔道士セシル)は、魔獣討伐に参加出来ない落ちこぼれ魔道士。王宮パーティーでヒーロー(公爵:聖騎士隊長オズワルド)に解毒薬をぶっかけたところから物語が始まります。
ヒーローは、魔獣による負傷を負い邪気に悩まされていましたが、秘匿の為、白魔道士の治療を受けておらず、有効な手段がありませんでした。そんな時、ヒロインの解毒薬が最も有効だったのです。
ヒーローは強引にヒロインを連れ去り、本格的な治療の為、ヒロインを側に置きたいと、白魔術最高権威であるヒロインの師匠に申し入れ許可されます。その後、治療の為のふたりきりの生活が始まります。
ヒロイン…よくしゃべる。立て板に水、ペラペラ、ペラペラ、めちゃくちゃしゃべります。それに取り繕いません。そして色気もありません。ヒーローが無防備過ぎるヒロインを、警告の為に押し倒しますが「は〜やれやれ」と言ったり。社交界で浮名を流すヒーローですが、ペースを乱されるばかり。スマートな貴公子ぶりをまったく発揮出来ず、口の減らないヒロインと言い合うのでした。
ヒロインのことを趣味じゃないと言い切ったのはヒーローの方ですが、時間が経つにつれヒロインから異性と意識されない事を不満に思います。ヒロインもある事情から恋愛感情を回避せざるを得ません。しかし惹かれていくのを自覚します。そんなおりヒーローが改めて「対象外だ」と言うのを聞き、自戒を強めます。失恋したかのような痛みを伴って。
外的要因に迫られ、内心は揺れ動きながらも、最終手段の施術を決意するヒロイン。ヒーローに師匠から授けられた薬を盛ります。それは媚薬と記憶封じの効果があり、ヒーローの邪気をすべて引き受ける為に破瓜するのでした。自分は愛されないと承知した上で。
あくまで治療、施術だと自ら割り切ろうとするヒロイン。不覚にも愛した男の為に身体と心を代償にします。しかもその事実を男に明かしません。見返りを求める事を潔しとしないのでした。まだ年若い女性にしては重すぎる負担。ここはヒーローに洞察力と男らしさを発揮して貰いたい。黙ってひとりで背負い込むヒロインを救って欲しい。ヒーローの発奮を期待してしまうのでした。 -
酔っ払い令嬢が英雄と知らず求婚した結果 ~最強の神獣騎士から溺愛がはじまりました!?~【単話版】
イケメン2人の恋の鞘当て×鈍いヒロイン2025年7月31日とっても良かった!三角関係でヒロインを取り合うストーリーなのですが、原作の結末は爽やかでした。
仕事以外はポンコツなヒロイン(子爵令嬢ヴィエラ:王宮魔法使い)は『父が急病。すぐに婿を見つけ帰郷せよ。婿は誰でもいい』と実家から火急の知らせを受け、夜会に参加しますが、普段仕事中毒と噂が流れる程の仕事漬け、相手など簡単に見つかる筈もありません。
やけ酒を煽るために訪れた東屋で出会ったヒーロー(公爵三男ルカーシュ:神獣騎士)と意気投合し、契約結婚を合意します。それを知って冷静でいられなかったのは、ヒロインが仕事漬けになる原因、後輩男子(侯爵嫡男クレメント:結界課班長)でした。
ヒーロー文句ナシのイケメン。家柄、能力、容姿、人柄、そして救国の英雄である…全て揃っています。男らしい魅力に溢れ、初心なヒロインを気遣いながらも、ここぞというところは強引。完璧です。
後輩男子もヒーロー程の派手さはなくても、かなりの優良物件。ヒロインに後輩男子からは嫌われていると誤認される態度をとっていますが、これには事情があったりします。ヒロインを学生時代から思い続け、数年かけて外堀を埋め、いよいよという矢先にヒロインをさらわれる。後輩男子の方が当て馬設定なのですが、横槍を入れられたのはどっちなのか判定し難い背景です。
そしてヒロイン。自分の女性的魅力に気付いていない。無知の魅力。魔法使いとしては、国でも片手に入るくらいの実力。女性としてはイケメンふたりからの取り合いになり、仕事も彼女にしか出来ない有用性で熱望される。公私ともにモテモテ状態なのですが、いかんせん鈍い。
恋愛模様と同時に職務に励まざるを得ない状況。中だるみなくストーリー展開します。恋愛模様は、ポンコツヒロインをよそにイケメンふたりが、バチバチ火花を散らします。周りは空気の冷え冷えぶりに肝を冷やしますが、ヒロインだけ解釈間違ってますけど…な状態。可笑しいけど、これぞ恋愛物語の醍醐味な場面が繰り返しあります。
イケメンふたり、どちらも魅力的。ひとりは恋心を諦めねばなりませんが、その際も潔く爽やか。成り行きが自然で無理を感じません。絵も美しく、面白く、素敵な作品です。 -
余命一年の悪役令嬢、残生≪アフターライフ≫は逆ハーレムを満喫しますわ!【単話】
憐れ過ぎるヒロインはむくわれるのか?2025年7月30日ヒロイン(公爵令嬢エルフリーナ)は余命1年と宣告されます。その原因は、婚約者である王太子の求めに応じて、不死軍団を実現する為、治癒魔法を酷使し、自身の生命維持すら出来なくなったから。
母国に勝利をもたらしましたが、余命1年と知った王太子から婚約破棄される羽目に。何のねぎらいもなく「可愛げがない」と捨て台詞まで浴びせられます。もともと生真面目で貴族の義務に忠実なヒロインですが、恋もせず、愛も知らず、処女のままひとりで死ぬのは嫌だと、放蕩な弟の意見に従い行動します。
それは別荘に逆ハーレムを築くというもの。相手はやむを得ず恋人役として奴隷を買います。それぞれタイプの違う4人の男性達と、愛は無理でも、快楽は得られる計画です。
元敵国の捕虜「大佐」、異国の異教徒「王子」、文官っぽい「閣下」、ワンコ系の「ミケ」。そもそもお硬い貞淑観念のヒロインには、性格的にも合わない行動ですが、切羽詰まった事情の為、無理を通します。
ヒロインは自分の抱えた事情を恋人達に説明しません。そのせいもあって男性陣からの内心の評価は、良くありません。富にものを言わせた、傲慢で好色な、わがまま令嬢といったところです。事情を知る読者としては切ない。かりそめの関係でも、大切にされて、疑似恋愛であっても生きている喜びを知ってもらいたい。
恋人役の4人は、ある意味くせ者揃い、それぞれ訳ありそうです。ヒロインとの情事もありますが、それが愛あるものになってもらいたい。不憫なヒロインが、悲しい結末を迎えないで済むように願ってしまいます。 -
元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。【分冊版】
ヒーローの…禁欲生活はいつまで続く?2025年7月30日戦闘用奴隷として育てられ、発育不良で、言葉もたどたどしいヒロイン(八番:ユイ:人間)が奴隷主に逆らって、隷属の首輪に首をねじ切られる瞬間、ヒーロー(セレスト:竜人)に救われるところから、物語が始まります。
ヒロインは竜人であるヒーローの『番』でした。しかしヒロインは12歳、ヒーローは成人男子(280歳)という関係上、保護者として接する以上の事はタブーなのでした。
それまで凄惨な生活を送っていたヒロインですが、共に助けられた姉貴分の同じく奴隷だった(十七番:ディシー)と、穏やかで、満ち足りた生活を送れるようになります(ひとり例外を除いて)。その描写は、健全で、児童文学をみている様です。
しかもどうしても避けられない“寿命問題”…人間は100年、竜人は1,500〜2,000年という途方もない差があり、やがては死別の苦しみが確実に訪れると分かっています。それでもふたりは共に居る事を選ぶのでした。
ヒーローは理知的な紳士なのですが、竜人としての本能があります。その辺りの描写は、さらっとしていますが、内心はいかばかりかと。作品内で人間の成人年齢は16歳なんですが、身体が細いヒロインが18歳になるまで、番うのは待つヒーローです。毎晩添い寝をして、性的な接触はご法度。聞いているだけで苦しそうです。
原作では竜人が番うと訪れる『蜜月期』があり、その間はずっと愛され続けるので、体力がいるそうで。まだまだ未成年のヒロインですが、成長して番う日を迎えたら、大変な事になりそうです。
ヒロイン自身も控え目で優しく、実直な性格で好感持てますが、修行僧より激しい禁欲生活(修行僧は愛しい女性と添い寝したりしない)に耐えるヒーローを、つい応援したくなるのでした。
ついにその日が訪れたら、描写はどうなるのでしょうか?今は児童文学のような清廉さですが。さらっとした描写なのでしょうか?でも6年もジリジリ待たされたのに?まだ先になりそうですが、勝手に気を揉む自分が可笑しいです。先が楽しみです。 -
「君を愛することはない」と言った氷の魔術師様の片思い相手が、変装した私だった(コミック)
テンポよく、痛快!面白い!2025年7月30日個人的にとても好きなパターンです。能力高いヒロインが、仕事熱心なゆえに、斜め上の勘違い。かみ合わなさが、可笑しくてたまらないという…ラブコメディ。
ヒロイン(伯爵令嬢フィーネ)は家督を継いだ叔父夫婦から、虐げられる生活。しかしまだ何の幸運を得ていない時点で、既に一筋縄ではいきません。自立心が強い、メンタルタフネスです。
彼女の幸運は《黎明の賢者》と呼ばれた魔法使いの幽霊に師事できた事。金目当てで嫁がされるクロイツフェルト公爵家との政略結婚も、実は裏で手を回していたヒロイン自身の差し金でした。
こんなふうにいちいち裏事情があります。「評判の悪い薄幸令嬢が政略結婚先で、資質の良さを見初められて、ヒーローから溺愛される」だけではないのが、ひと味違うところ。むしろこの裏事情の方が本筋で、溺愛の甘々はもっともっと先になりそうです。
ヒロインのチート能力は、半端なく高いレベルで、味方に出来る確証がないならば、国家を脅かす存在として危険視される程。しかしこの能力の価値認識も、世慣れないヒロインは、勘違い全開。いろいろやらかしてくれます。
お相手のヒーロー(公爵令息シオン)は、将来を嘱望された、史上最年少で《五賢人》の一人となり《氷の魔術師》と呼ばれる人でした。彼の方も孤独な育成歴であった為、素直に自分を表現できません。出会った当初、ヒロインに冷たい言動をしますが、一筋縄ではないヒロインも一向に意に介しません。あ〜可笑しい。
ヒロイン単独で目標達成の為、突き進んだり。ヒロインにとって最優先な存在は、実はヒーローではなかったりします。それでも徐々に関係は進展していきますが、裏事情の展開の方がダイナミックでスピード感溢れます。恋愛は初心でじれじれ、みずみずしい。
不器用だけど、正義感強く、男前なヒロイン、女性としての喜びを知り、幸せになって行くのが楽しみです。 -
死に戻りの幸薄令嬢、今世では最恐ラスボスお義兄様に溺愛されてます
ヒロインと義兄の仲はどうなるのか?2025年7月26日ヒロイン(公爵令嬢オルタンシア)と義兄(公爵嫡男ジェラール)との物語。ヒロインは妃候補者の暗殺未遂犯として斬首刑に処されます。その瞬間に死に戻り、庶子として公爵家に引き取られた幼い日まで戻りました。時間を巻き戻したのは女神で、ヒロインの死後、狂気に憑かれ、魔神と融合し、世界に災いをもたらした義兄を闇落ちから救って欲しいと依頼されます。スケールの大き過ぎる話しを丸投げされて、困惑するヒロインですが、まずは義兄を味方につける努力から始めます。
一度死に戻った事で魂に聖女の加護を得たり、精霊の力も得たりで、一度目よりずっとチート能力を手に入れます。過去に逃げていた場面で逃げずに努力し、父親と義兄の愛情を勝ち取って行くヒロイン。家族への思いが深まっていきます。
原作のweb小説は現在も継続中。第一段階の話しは完結しています。いつも思っていたのは、「ヒロインと義兄の仲はどうなるのか?」という事です。
ヒロインは義兄に異性の魅力を感じているみたいだし、義兄の方も表面の取り付きにくさと裏腹に、行動は惚れている女に対する態度そのものです。ヒロインの思いも、義兄の思いも兄妹愛の範囲を超えているように見えます。しかし兄妹であれば、ふたりの仲を進展させる訳にもいかず…。相思相愛にも思えるふたりですが、血のつながりがグレーな状態で互いの思いをどう成就させるのか?疑問でした。
原作では第二段階のお話しが始まり、事情があってまったく別設定になっており、なかなか切ない展開になってきています。血のつながり問題も解消するのか?と匂わされていますが、どうなる事でしょう?原作もコミックも、まだまだ先の長い大作になりそうです。とても楽しみです。 -
幸せを掴んで欲しい!2025年7月24日ヒロイン(伯爵令嬢長女アマンダ)は平凡な容姿、実妹(次女アデライン)は非凡な美しさ、実母から差別的な養育を受けて育ちます。当然のように、周りも姉妹を比べて評価し、心無い言葉。
ヒロインはわずか10歳で実母から「我が伯爵家は、妹のアデラインが婿をとって継ぎます。なんの取り柄もない貴方は働きに出て、育てられた恩を少しでも返しなさい」と言われ、粛々と将来の自立に向かって準備を進めます。
まだ入学したばかりなのに、ひと学年上の試験対策本までも作成、図書館で売るなどし、資金を貯めます。そんなヒロインに声を掛け、図書館勉強仲間になるのが、キラキラした貴公子(公爵嫡男フレディ)、ヒロインは最初、貴公子が妹目当てかと思いますが、そうでもなさそうで、3人で仲良く過ごし、貴公子が卒業してからも、何かと誘いが来て3人で出掛ける仲でした。
姉妹の目的は毒親からの独立。寮付きの就職を得る為に、勉強に励み、ふたりで励まし合い、助け合います。実妹は姉の長所の理解者で心酔しており、その妹からの愛がヒロインの心を支えます。そのふたりを見守る貴公子。いよいよ実妹が卒業を迎え、姉妹は長年準備して来た計画の実行に着手するのでした。
ヒロイン、常に心の平穏を保っていますが、本音では悲しくない筈がありません。実妹も、姉を引き合いに讃えられるのが辛く、傷付いています。
キラキラ貴公子も本心を吐露しませんが、妹目当てでないのは明らかです。ヒロインは随分と人柄の良い、面倒見のいい先輩と思っている描写ですが、自分が恋に落ちない様に、最初から自制していても不思議はありません。傷付くのは最小限にしたいと用心しているかもしれません。そんなふうに記載はありませんが、乙女心あるあるではないでしょうか。
ヒロインは逆境に、悲嘆にくれることなく、出来る努力をする賢明な人。優しさもありますが、ただ踏み付けられて一方的に泣き寝入りに終わらせない強さもある人。だから不平も漏らさず黙って努力する姿に、力を貸してくれ、支えてくれる人達がいます。見ていない様で、見ていてくれる他人の温かさが、この作品の魅力です。
まだ10代の姉妹が、逆境を乗り越えて、自分の道を進もうとします。幸せを掴んで欲しいと願ってしまいます。 -
断罪、上等!やってもらいましょう!2025年7月24日ぶっとんでいて痛快です。主人公ふたりに、ちょっと腹黒い面があって、それがいい!
ヒロイン(子爵令嬢セルマ)はもともと不遇な生立ち。実母と幼くして死別し、再婚した父は家を傾けてから死去。残された義母はヒロインが18歳になったら好色な金持ちの老人に売りつけてやろうという魂胆。それを回避する為に婚活し、身分の釣り合う相手を学生生活中に得ようとします。
そして背水の陣で得た婚約者(伯爵令息ジョナス)は、別の女性(伯爵令嬢ドロシー)に籠絡されて、お決まりの卒業パーティーで婚約破棄のシーンとなります。
しかしこの先は異色。ヒロインは自分の婚約者に絡みつく横取り令嬢に、自分の罪状を盛って、その通りだと証言させます。もう自暴自棄なヒロインは、自分の罪を加重させて『滅却刑』になる算段。本来ならとても心痛むシーンになりそうですが、悲壮感はなし。むしろ荒唐無稽で笑える。ヒロインはワインを5杯一気飲みしてからの行動でもあり、酔いが回るにつれヒートアップの一方。勢いに飲まれた横取り令嬢は、誘導されるままに自白の肯定をするのでした。
恵まれないヒロインを救うのは、意外な人物で、彼のおかげで、全て狙っていた以上の結果になります。圧巻で痛快!そして笑える!主人公ふたりが、ちょっとダークで、強かなのが、とても良かったです。 -
王子様の訳あり会計士 なりすまし令嬢は処刑回避のため円満退職したい! 【連載版】
結末までずっと面白い!2025年7月24日最初から軽快で、先が気になりweb小説を結末まで読みました。ずっと一貫して面白い作品です。後半はストーリーのスケールもUPしていき最後までグイグイ引かれました。
ヒロイン(コレット)はヒーロー(王子ラディス)の私財管理の専属会計士として雇われます。ヒロインはある事情から仕事を引き受けたくありませんでしたが、王子の方にも事情があり雇いたいのは女性会計士でした。
10年前、王子は王妃になる者と共に触ると現れる「王の徴(しるし)」を顕在させていましたが、その時、手をつないでいのは、あろうことか“少年”で、その後は行方不明のその人物を探し続けていました。相手が少年であった事が非常にまずく、以後、男色疑惑をささやかれ続けていました。そしてその少年こそが男装したヒロインだったのです。家族を巻き込んで断罪される事を恐れたヒロインは、事実を伏せたまま無事退職出来るまで、やり過ごそうとしますが…。
ヒロインは会計士として優秀で、相談された事業へのアドバイスができる程の見識の持ち主。かつ非常に仕事熱心。恋愛事には疎い方で、ベクトルが仕事に振り切れています。自立したキャリアウーマンが、仕事に集中するが故に鈍いパターン好きです。天然ボケで鈍いパターンよりずっと好きです。
ヒロインは平民にも関わらず物怖じしない性格、王子に歓心を買いたい気持ちが微塵も無く、仕事熱心な為に、ちょっと図々しいくらい。王子には無礼と捉えられても仕方がない程度なのですが、王子は許容し、むしろずっと目を掛けます。途中で目的の少年がヒロインであると露呈しますが、それはまだ通過点。
ヒロインと王子の掛け合いは、軽快で面白い、どちらかと言えば王子の方が下手です。ヒロインが少年だと知る前から惹かれており、ヒロインの血の繋がらない義弟と恋の鞘当てにもなります。
もともと好意的でしたが、時間が経つにつれ、王子の気持ちはさらに真剣になり、ヒロインへの態度も婚約者に対するものに等しくなって行きます。ヒロインは自立心が強く、おとなしく従ったりしませんが、王子はそんなヒロインが可愛い、手を焼きますがそれがいい、為政者として資質充分で有能な王子を、惚れさせるのでした。自分の手元に囲いたいのに、奔放なヒロインは一筋縄ではいきません。王子が仕方なく渋々ヒロインの好きにさせるのが、惚れた弱みを見せる様で甘々なのでした。 -
なかなか痛快です…いいぞニコル!2025年7月21日ヒロイン(伯爵令嬢ニコル)は婚約者(侯爵令息ケイオス)に蔑ろにされて久しい。ケイオスは幼馴染み王女キャロラインに心酔し、学園では生徒会に所属し会長であるキャロラインを支え、将来は騎士となって王女を守ると公言。
婚約者であるニコルに対して、ぞんざいの極み。カップル参加が常識のイベントで王女に侍るものだから、ニコルはひとりで壁の花。手紙の返事はこない。お茶会はすっぽかされる。去年、行商を見に行った時は、王女の話しばかり。挙句の果てに「わざわざ来てやったのにそれぐらいで怒るな。本当はキャロライン様のために剣の修行をしたかったのに」ですと?!同じく去年の花祭り、ニコルは花束を貰い、内心ひと安心したところ浴びせられた言葉は「キャロライン様にも同じ花を渡したがよくお似合いだった。お前にも似合うだろう」…ニコルには、自分の恋心が跡形もなく壊れる音が聞こえた事でしょう。
もう完全に振り切れたニコルは、単独行動で自分の気持ち通りに振る舞います。すると逆に婚約者ケイオスが構って来るようになります。ある意味、共犯の王女も事態の深刻さに気付き、ケイオスに挽回の努力を命じます。
うーん。納得出来ない。ケイオスの態度は、心が離れ、もう別れる相手にする仕打ちに等しい。王女も四六時中、側に侍るケイオスを見れば、その婚約者がどうなのかは普通は分かる筈。ふたりともそんなつもりは無かった、配慮が足りなかった、これからは気を付けると言いますが、時、既に遅し。
ニコルの気持ちは苦しみや悲しみを通り過ぎて、“凪”の境地。まだ女性の自立に不寛容な社会なので、白い結婚だけしてもらえたら、都合がいいけど…なんて考えています。
ニコルは、お気に入りの隣国の小説を原書で読みたい為に隣国の言葉を学び、そして隣国では女性の社会進出も進んでいる事を知ります。そう!もうケイオスなんぞに見切りをつけて、隣国で経済的自立を目指すといい!自分のやりたい事をやり、自分らしさを大事に過ごすうちに良縁にだって恵まれる!
原作では、ニコルを繋ぎ止めたいケイオスが、まわりをチョロチョロするのを受容しながら、精神的、経済的自立を得たいなら、そう踏み出せるスタートラインにいるところで結末を迎えています。その先はどう転ぶかニコル次第なのが愉快です。ケイオスなんて袖にして、もっといい男とパワーカップルになって〜と願います。逃がした魚は大きいのです。 -
楽しく面白い、元気が貰えます!2025年7月20日ヒロイン(フェリア)はもちろん、脇を固める人物も、個性があって魅力的、素敵な作品です。騎士隊長ビンズ、担当騎士ゾット、侍女ケイト。きつい女官長。味方も敵もキャラが立って、物語を盛り上げます。脇役もいい味だしている作品は、ほぼ間違いなくアタリです。
ヒロインはお姫様らしくない。精神的に自立して、辺境で魔物に対峙していた実力者。飾らなく優しいので、他のお姫様警護の騎士達も癒しの場としてやって来るようになるのが、可笑しい。美味しい食事、症状に合わせた薬草茶、鈍った身体の鍛錬、ふかふかの枯れ雑草ベッドで仮眠…あなた達、くつろぎ過ぎでしょう?ツッコミを入れたくなりますが、これもヒロインの人柄ゆえです。
肝心のヒーロー(マクロン)との出会いは、あまりの質素さにヒロインをお付きの侍女と勘違いして始まります。ヒーローは最低限の義理だけ果たすつもりでしたが、他と違いとてもくつろげる雰囲気に包まれて、夕食後に眠りこけ、翌朝も素朴な朝食をふるまわれます。そこでやっと侍女ではなく、31番目の妃であると気付きます。何も言わずただ疲れきった自分を労ってくれたヒロインの心遣いがしみるヒーローです。すっかり好きになってしまいます。
もともと女官長からは冷遇され、王マクロンの夜のお渡りがあったと認知されているので、他の妃達から嫌がらせを受けるようになります。それに負けずにさばいていくヒロイン。しかも相手を過剰に追い詰めたりしない配慮までして。単純な意地悪をしていた15番目の妃(ミミリー)などは父親共々、窮地を救われます。夜会では他国の王族と堂々と渡り合い、11番目の妃の父公爵に器の大きさを感じ取らせます。
ヒロインは領主の妹で貴族ではありません。それでも一国を担う器がある稀有な存在。歴史の豊臣秀吉の正室ねねを思い出しました。平民から関白の妻にまで身分差を駆け上がったにも関わらず、役目に遜色なかった女性です。
ヒロインもヒーローも、為政者である事を第一とし、甘々なだけではいられません。それでも、怯まず、笑顔で突き進むヒロインに、本当に元気を貰えました。 -
契約婚した相手が鬼宰相でしたが、この度宰相室専任補佐官に任命された地味文官(変装中)は私です。
夫に正体を隠し仰せている…のか?!2025年7月19日テンポよく面白い!働く自立した女性が主人公な作品が好きなので、とても楽しく読めています。ヒロイン(クリスティーヌ)は世の恋愛至上主義に賛同出来ず、ふらふらと不誠実で悪びれない婚約者に婚約破棄を申し入れ一泡吹かせる為に、協力してくれるパートナーを探します。
それに同意してくれた見目麗しいそこそこ地位のありそうな男性と合意し、偽装結婚を約束しますが、この男性『鬼の宰相パトリック』と呼ばれる宰相閣下でした。しかしお互い貞淑を守りさえすれば、後は自由という契約結婚に旨みを覚えているふたりは、既婚者というステータスを保ちつつ、各々仕事に邁進します。
特にヒロインは、まだ世間の風当たりが強い職業婦人となり、思う存分働きます。この事実は夫にも明かしていない為、母方の旧姓を使い、変装もしているし、隠し仰せているつもりです。
粉骨砕身働くヒロインは出世し、屋敷で顔を会わすことなく3年たった夫の宰相室専任補佐官に任命されますが、ヒロインは別人だと認識されていると信じています。その為、夫が他人である筈の自分に打ち解けた態度を見せるのが、モヤモヤします。それにコミュニケーションが親密さを増すにつれ、トキメキながらも、これは妻以外との浮気じゃないの?とさらに悩みます。
宰相閣下は10歳程も年上だし、切れ者、ヒロインより何枚も上手なのですが、懸命なヒロインに、絆されて、惚れています。妻と甘い時間を持ちたい、欲望を澄ました様子でストレートにぶつけてくるのでした。
最初は夫婦で過労死しそうな様子ですが、やがて甘々になります。夫に魅了されて、恥ずかしそうなヒロインが幸せに包まれるラブストーリーでした。 -
捨てられ聖女は契約結婚を満喫中。後悔してる?だから何? 分冊版
王道の逆転劇2025年7月19日原作も読みましたが、テンポよく進み、面白いです。ヒロイン(前筆頭聖女ミシェル)は王太子アルフォンスから、婚約破棄され、それならばもう自由に過ごそうと出て行く直前に引き止められ、王命で『好色侯爵』と噂されるヒーロー(クリストフ)へ嫁ぐことになります。
ヒーローの方も悪評高いヒロインを警戒し、書類に視線を落としたまま「王命だから仕方なく結婚するが、お前を愛する事は無い」といきなり宣言します。しかし顔を上げヒロインの顔を見ると、頬はこけ隈を作ったやつれ姿に、悪評が誤りであると理解します。それでも女性恐怖症であるヒーローは、2年後には別居する前提で契約結婚について互いに合意し、5歳の子息ジェレミーの養育も不要と伝えます。ヒロインの方も気を悪くすることもなく、むしろ父子に配慮を見せます。
ヒロインは気取らず自然体で、それでいて思慮深く優しい女性。まずは子息ジェレミーが物怖じせず懐いてしまい、その触れ合いを通じてヒーローとの触れ合いも増えていきます。やがてヒーローは、自分の心に今までにない感情が芽生えて行き…以下略といった王道ストーリーです。
まずヒロイン、鈍いです。子息ジェレミーからも早熟な好意を寄せられ、義兄からも兄妹愛だと言い切れない疑惑の好意を寄せられていますが、案の定です。ヒーローの方が自覚が早いのですが、ご多分に漏れずです。しかし、いつまで鈍いの?伸ばし過ぎぃ~とイラつかされる事なく、適切に進むのが小気味よい。
婚約者だった王太子は、おバカさんですが、悪人ではなく、その他の報復される覚えのある人達への断罪も苛烈ではありません。個人的にはあまり苛烈な断罪は心削れるので、マイルドなのがむしろいいです。
ヒロインの環境が好転していき、大事な人達から愛を注がれるサクセスストーリー。安心してほっこり出来ます。いいね
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健気過ぎるヒロイン…長編で見たい!2025年7月19日レビューが高評価で短編とは思えない作品との評価に読んでみたくなり購入。うん。確かに。47ページにしては奥行きあり、まとまっています。しかし題材がいいだけに、物足りなさが否めません。もっと長編で読みたかったという多数の意見に賛成。
絵が綺麗。主人公ふたりは見惚れる程の美しさ。眼福〜。
ヒロイン(公爵令嬢)は誰にかけられたかも不明な呪いで、余命1年宣告を受けます。ヒーロー(第二王子)を思いやり婚約解消を申し出ますが、拒否されます。
ヒーロー、言葉が足りな過ぎる。婚約解消を受け付けない理由の言い草も酷い。
ヒロインは理不尽さに自暴自棄になることもなく、ひたすら控え目。ヒーロー(第二王子)が、第一王子の婚約者(別派閥公爵令嬢)を密かに慕っていると誤信している為、堂々と愛を乞えないのです。体調悪化が進んでも、気遣わせまいと無事を装い、善行をし、ついに力尽きます。花に囲まれて安置されるヒロインの哀れで美しいこと…思わず泣けてきます。結末はハッピーエンドでめでたし、めでたしなのですが、突っ込みどころも山積します。
個人的に一番不自然なのは、どうしてヒーローが素直に自分の愛を伝えなかったのか?実際は愛の無言実行なのですが、愛する女性の余命が限られるという重い状況で、あの素っ気なさを貫く説得力に欠けます。
例えば、主人公ふたりと幼馴染み男子がいて、ヒロインとその男子が相愛と思えるのだが、男子が病を得て療養生活に追い込まれ、その隙に王族と高位貴族の政略の婚約が成立してしまい、快癒の可能性のある男子を慮り、第二王子が素直に求愛出来ないとか…双方の誤信がないとバランスが悪い気がします。
呪いの犯人は身勝手かつ残酷な所業ですし、断罪がどうなされたかも知りたいところです。
残された1年の先のない幸せに包まれながら、双方苦しむ切なさをもっと描写出来そうですし。
見せ所の多い設定なので、短編では勿体ない。見せ所が限られるのに、無理に伸ばして、読むのを脱落させられる作品だって多いのですから。長編で改めて出して貰える事を期待します。ちなみにその際はヒロインの衣装がもっと華やかですと、なお良いです。 -
可愛げのないヒロイン、でもそれが魅力2025年7月19日web小説もあるので読了しましたが、第一段階の山は越えたものの完結していません。王妃視点、王視点と切り替えての描写があります。
12歳のティルダは、1ヶ月前まで敵国だったアシュケルドに嫁がされます。しかし父王がティルダの亡き母の姿絵を事前に送り、花嫁の年齢詐称をしていた為、王である23歳のカーライルは、子供と婚礼を挙げるという屈辱に耐えなくてはならなくなり、怒りに震えます。
ティルダを子供扱いし、妻として認めず、婚礼直後から城代にティルダの世話を丸投げし放置、6年経過。そこからこの物語が本格的に始まります。
ティルダは妻として、蔑ろにされた為、辛酸を舐めることに。一度殺されかけ、日々の食事にも事欠く始末。王妃視点のパートは屈辱と忍耐の中、自分を奮い立たせる辛いものになっています。
王視点では、建国したばかりの政情不安に忙殺され、王妃に悪意がある訳では無いのが語られますが、やっぱり言い訳がましく読者には聞こえます。
一番悪いのは悪意の父王で、カーライルの怒りも理解できますが、罪のない12歳の少女を追い詰めた責任は免れません。短慮で薄情の度が過ぎて、いろいろある事情を聞いても納得し難い。
孤立無援のティルダはそれでも策を弄し、敵を陥れ払い除けます。その上、同じ轍を踏まない為の防御策まで講じていました。6年も経ってから全てを知った王カーライルは、ティルダの知略に恐れを抱きつつ、その得難さにも気が付きます。それに18歳のティルダは自分好みの女性に。
6年目の出会いが面会の2度目とは、いい加減にしろ!と言いたくなりますし、ティルダは冷ややか。しかしカーライルの方の切り替えは早い。落ち度を認め謝りつつ、図々しくもティルダに求愛を始めます。
「気に食わない男を断罪したい」「傷付けた女をそっと解放するのが筋」一般人でない王族のふたりはそうは出来ません。建前や感情を犠牲にしても実利を取らなくてはなりません。
ティルダは笑顔のない女性になってしまいましたが、内面は思慮深く、自分のプライドや名誉を犠牲にする勇気の持ち主。亡き母から繰り返し教えられた「為政者の責務を果たす事」を、何より大事にしているのでした。
ティルダに比べるとやや情けないカーライルですが、彼も為政者として優れ、ティルダを理解し愛します。都合がいいな…と文句の一つも言いたくなりますが、最後よければ全てよしというところです。 -
ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける
切なく苦しい…泣けてきました2025年7月17日コミック版を読んで先が気になり過ぎ、紙の小説版を買って読んでしまいました。ヒーロー(アリステア)は領民から慕われる善政の領主様。天才的な魔術師であり、大変な美丈夫。そんな羨望の的でありながら、ある石像しか愛せない…石像を着飾らせ、話しかけ、いろいろ致す…残念な男。
しかしそれには訳があり、その石像は、ヒーローを8歳の時から引き取り育て、4年後にヒーローを逃がす為に犠牲になった12歳年上の愛しい師匠(ララ)でした。早熟なヒーローはその頃から師匠の夫の座を狙う本気ぶり、ライバルになりそうな適齢期の男性を密かに追い払い、自身が結婚を許される年齢を待つという激情と独占欲を示していました。
その矢先に師匠を失ってしまいます。生きる意味を見いだせないほどの苦しみを耐え、3年もの厳しい研鑽を積み、師匠を失わせた竜を討伐します。その体内から発見された石像はなんと愛する師匠でした。いつ生身に戻るか、戻らないかも分からない終わりの見えない苦しみ。期待しては絶望する。その繰り返しの長い年月。
「いつか子供が空腹や暴力にさらされない世界になったらいいわね。」生前何気なく話した師匠の言葉を忘れずにいたヒーロー。自分の寿命が尽きても、愛する女性が目覚めた時には、そこが彼女の望む世界であって欲しい。無償の深い深い純愛。それこそ絶望にありながらも、20年の長きに貫かれた愛の重み。あまりの切なさに、フィクションと承知しながらも、泣けてしまいました。
若いふたりの純愛物語などにも泣ける話しはありますが、それの比較にならない重み。いい歳をして涙が出ました。まあ、いい歳だからこそ、年月の重みがこたえたのかもしれませんが。だからこそヒーローの喜びに本当に同調出来てしまい、嬉しさを味わえます。とても名作です。 -
断罪された負け組令嬢ですが、時間を戻せるようになったので今度こそ幸せになります【単話】
爽やかな読了感、テンポもいい2025年7月17日面白いです。web小説もあるので読みました。ヒロイン(バァイオレット)は巻き戻り前も我儘で激昂しやすいというくらいで、それ程悪人でないのですが、過度に断罪され、非業の死を迎えそうになります。ここで「時間の巻き戻し」というチート能力を手に入れ、巻き戻り人生をやり直します。巻き戻り後はとても好感の持てる人物で、分別と思いやりのあるキャラクターとなり、共感しやすくて読みやすくなります。(安易と言われればそうですが…。)
巻き戻り前と比べてチート能力以外にも、頼りがいのあるヒーローと出会い、困難はありつつも安心感があります。巻き戻り前には無かったものを得ていく、まさにサクセスストーリーで、あまり辛い展開に耐えることない。そこが良いです。序盤、ちょっと設定が甘いかなと思う点も理由があったりします。
なんだか鬱々する話でなくて、ハッピーな気持ちになれる物語が欲しい時に丁度よいです。いいね
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ハッピーエンドと思いたい2025年7月15日ホラーテイストの作品。幼馴染みの慶一君は長身のイケメン、ヒロインは憧れを抱きつつも、モテる彼にちょっと距離を感じているようでした。それでも彼は優しくて、帰り道で重い荷物を持ってくれたり、ますます魅了されます。
ここまでは学生らしい健全な関係なのですが、均衡が崩れるのは、ヒロインが足を滑らせた際、慶一君の手首の数珠を破損してから。お詫びをしたいと言ったヒロインに「はいらせて。」と迫ります。山中の社の中で、強引に身体を繋げてしまいます。この時すでに人外の姿をしているのですが、あまり追求されません。強引さを後悔した慶一君はもう近づかないと約束して姿を見せなくなりますが、今度はヒロインの方が恋しくて堪りません。学校で慶一君の姿を見かけ後を追ってしまうのでした。
ふたりのシーンは体格差がかなりあり、激しく、艶っぽいです。まだ幼さの残るヒロインをめちゃくちゃに翻弄する慶一君です。最後は寒気がしそうな展開でしたが、ある意味ハッピーエンドと個人的には思いたい。
それにしても、まだまだ若く将来のあるふたり、ホラーテイストでなくて順当に幸せな道を進み、家庭を持つというようなありきたりな幸せが訪れるのを見たかったです。勝手に想像してしまい、ちょっと切なくなりました。いいね
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ディキがハンサムで眼福2025年7月15日王立魔術研究所の天才魔術師ディキと一般研究員アロアとの両片思いの物語。どちらも意地っ張りで素直に自分の気持ちを認めないから、ケンカばかりの日常です。ところがある日持ち込まれた遺跡の彫像の呪いのせいで、身体を重ねる関係に。お互い気持ちを認め合った訳ではないので一見割り切った関係の様になります。それに呪いの影響は魔力のないアロアに強く、発動すると欲情してしまう厄介さ、発散させる為、人目を忍んでディキと致すしかない。ディキは自身も欲情しているのを棚に上げ、アロアに恩着せがましい言い草「仕方ねぇな。」「ボランティアだ。」とか言いながら、にっこり笑顔で結構な前のめりなのでした。
もともと想いがあるので、次第に気持ちが通うようになって行きますが、呪いのせいでアロアの発情が頻繁で、致してしまうのも頻繁。可愛い絵柄とは相反して第1話からそうなります。ディキはクールビューティーで長いまつ毛も色っぽい。口は悪いものの、本当は好きな相手と思い掛けず繋がれて幸運、アロアを気持ち良くさせたいと頑張るのも可愛い。アロアも呪いのせいと思える為か、快楽に素直で「いっぱい気持ちよくして。」「もっとおく。」とか大胆発言を重ね…ディキを喜ばせます。女性側がハッキリとねだるのは案外少ない気がして新鮮な魅力でした。
web小説も読みましたが、話しが進むにつれ、スケールが大きくなっていき、ふたりの関係も収まるところに収まります。アロアはしっかり者で性格的にもバランスがとれており、ディキ以外の男性とも上手くやっていけそうですが、ディキの方はひねくれているし、気難しいので、アロア以外に相手を見つけるのは難しそう。彼にとって遺跡の彫像は呪いではなくて、幸運の加護なのでした。
次第に枕を共にすることが日常になってくるのも、親密さが深まる過程を見るようで、ほのぼのしました。いいね
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堂々と人でなしな所業2025年7月14日最初、コミックを読んで、ヘンドリックのあまりな所業に、先が気になり小説版も読みました。それで結末まで知っているのですが、改めて絵で見ると「人でなし」ぶりがより伝わり(憎々しげな表情とか)、イライラ感が半端ない。そのあまりにためらいなく堂々とした無慈悲ぶりに、むしろ感心しちゃいそうです。どうしてそこまで自分に疑問を持たないのかと。
終始、申し開きが出来ない所業なのですが、ヘンドリックは「人の感情の機微が分からない」という欠点があり、生きづらさを抱える人物でもありました。ヒロインの一度目の人生でも、二度目の人生でも、ヘンドリックは非業の最期を迎えます。これが自業自得だよと嘲笑えないのが、この作品の奥深さ。不器用で幸薄いヘンドリックは影の主人公だと、個人的には思えました。
ただヘンドリックの生きづらさは、彼の都合であり、落ち度のないヒロインには苛烈過ぎます。一度目の人生から学んだヒロインは、同じ道は歩むまいと、自衛策を講じます。自分への愛のない旦那に囚われるあまり、視野が狭くなり判断を誤っていたと反省し、周りの力を借りて、賢く立ち回ります。義理の父母からも大切にされ、特にヘンドリックの実弟キンバリーの温情に救われます。
実弟キンバリーは、能力のずば抜けたヘンドリックには、敵いませんでしたし、次男という立場もわきまえて、節度ある補佐を続けます。実直で誠実、何より思いやりがあり温かい。義姉に同情を越えた感情があるのは明らかで、「兄でなく自分ならば、貴女を幸せにしてあげられるのに。」という秘めた想いが分かるので、ジリジリと焼かれるような切なさを覚えさせられます。
何れにしても、感情を揺り動かされるので、読むと軽い疲労を感じます。つまりそれだけの力がある大作という事です。絵も綺麗だしコミック版の結末までも楽しみです。 -
食えないヒーローが魅力的2025年7月14日最初からぶっ飛んだ内容で面白く、先が気になり小説版を読了しました。ヒロイン(アダリーズ)は幼いときから「人の心の声が聞こえてしまう」という特殊能力の持ち主。その能力のおかげで、リリアナ・ダンバース公爵令嬢の窮地を救い、それを契機に令嬢の兄であるディートリヒと知り合い、求愛されるというお話しです。
このディートリヒという公爵嫡男、貴公子そのものな外見と物腰、見る人をうっとりと惑わせる魅力の持ち主なのですが、性的魅力に溢れたヒロインを見るたび、具体的な妄想を思い浮かべます。まさかそれが筒抜け状態という本人が知れば居た堪れない現実が読者には可笑しくて堪りません。
ストーリーは進むにつれ、予想外の事実が出て来たりで、スケールUPしていきます。外見の貴公子ぶりと内面が合っていないヒーローです。最初は計算高く、冷徹で、身内以外には厳しい。それ以降は不埒で清廉潔白とは真逆。それでも絶体絶命のピンチで、ヒロインを庇い、捨て身の割り切りを見せる男気もあり、本当に食えない男なのですが、むしろそれが魅力なのでした。外見も内面も清廉潔白だなんて、そんな男はモテませんよね?!
ヒロインも素直になりきれなかったりで、悩むシーンも多いですが、最後は幸せを見いだします。それに一番いいのはヒロイン家族の愛情の深さ。ベースに家族愛があるので安心して読み進められました。艶っぽいシーン、アクションシーン、中だるみもなかったです。コメディだけで終わらない読んで良かった作品でした。 -
まさに溺愛、ふたりきりの世界2025年7月14日鬼神様の歯がとがっているのが、結構気になりますが、それは置いといて…後半ふたりの激しい情交シーンが延々と続きます。
もともとヒロイン(八重)は捨て子で、拾われて育てられた村の為に生贄として捧げられます。鬼神様は気まぐれから、まだ子供の八重を手元に置き一緒に暮らし始めますが、成長するにつれ徐々に惹かれていくというお話し。
鬼神様は人間より寿命が長そうで、どこか達観している風で、同居して10年経っても自身の八重に対する想いを封印したままにいます。八重が鬼神様を優しい父か兄のように慕い、家族として温情を抱いているからです。
その為、村に世話になっていると言う旅人(若い男性)と八重との交流も黙認します。内心では非常に不快に感じているにもかかわらず。均衡が破れるのはそれ以降、八重が一時的にしろ村に帰ろうとしてからです。それから一悶着あって、その後はもう激情に流されるばかり。溺愛シーンが続きます。
鬼神様、人外なだけあって、物凄いです。口調は優しいものの…手を緩めることがありません。ずっと激しいまま、時間の感覚がなくなるくらい、ひたすら続きます。結界で閉ざされたかの様な空間で、ふたりきりの世界です。我慢を重ねてきた鬼神様の満足気で幸せそうな様子が何よりでした。いいね
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ヒロインが健気そして美肌2025年6月22日冤罪で追放された王女が辺境伯に嫁いで、幸せになる話しなのですが、いろいろ気になりました。まず第一。辺境伯様、暮らしが貧乏過ぎませんか?庶民みたいな質素な家、質素な服、夕食はパンとスープ。使用人がひとりもおらず、朝から晩まで夫婦で農作業と家事労働。王宮から来た王女様は意外な事に不満も漏らさず適応しますが、傍目から見るとあまりに差があるだろうと不憫過ぎる。辺境伯は実直で働き者、領民思いのいい領主なのですが、面白味に欠ける男ですし。
途中、王女祖母からの使いで、騎士が迎えにくるのですが、この騎士と結ばれた方が絶対幸せそう。侍女くらい当然つけてくれ、身の回りの世話をしてもらえ、農作業はもちろん家事労働もなし、妻に対するエスコートや愛の言葉とかも気が利いていそう。贅沢は無理でも奥様然とした生活で、苦労しなさそう。
そもそも王女は冤罪なのですが、無実が証明される場面はありません。カラーなので、王女の美肌が色っぽく、それを堪能する作品なのでしょうから、細かい設定は無視していいのでしょうけど、健気な王女の境遇の不憫さが終始気になってしまいました。 -
悪役令嬢に転生したはずが、主人公よりも溺愛されてるみたいです
ゆるくて安易なのに不思議な魅力2025年6月21日絵もあらすじも全て、ゆるくて安易。なんですけど溺愛逆ハーレムの王道として、上手くまとまっているせいか、なんだかんだで読ませられる不思議な魅力があります。
内容は題名通り悪役令嬢(リディア:転生者)がヒロイン(サラ:転生者)より溺愛されてしまうというもの。登場人物もこれ美形設定なんだろうなと分かるけど、見惚れる程の美形で描かれているかと言えば微妙。背景はスクリーントーンの多用で、他の作家さんより描き上げるの早いのだろうなとか思ってしまったり。
あらすじもゆるい。突っ込みどころ在りすぎ。皆さまご指摘の通り護衛騎士が毛嫌い→溺愛に変わるのが、手のひら返し過ぎたり。こんなのは一例で終始ゆるさは継続します。それからヒロイン(サラ)もお馬鹿丸出しで子供も騙せないレベル。思わず苦笑いしてしまいます。
それでもつい読んでしまうのは、何故なんでしょう?悪役令嬢(リディア)が大した努力もなしに、皇子やふたりの兄、護衛騎士に、溺愛されるシーンが続くからでしょうか?4人のイケメンから、常に心配され、かまわれ、保護されます。お姫様抱っこも頻繁で。深く考えずに軽く読めます。悪役令嬢がちやほやされる様に、案外ストレス発散させられてしまっているのでしょうか。不思議な魅力です。 -
ヒロインの髪型が変2025年6月7日ヒロインの髪型は、なぜあんな風なのでしょうか?アホ毛?触角?気持ち悪いです。一コマずつ、いちいち気になって、ストーリーが頭に入りませんでした。もともとストーリー展開も不穏なのに、わざわざ、さらにハンデを背負わせた様なものです。
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追放された聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~今の生活が楽しいので、迎えに来られても帰りたくありません!~
読了後、爽やかな気分になりました!2025年6月1日読んで良かった作品です。ヒロイン、リアが最初からとにかく憐れ。幼少から粗末に扱われた為、周りの人から認められたいと切なく願い、生来の優しさも相まって、ひたすら自己犠牲、献身の日々。2年にも及ぶ前線での功績も、認められるどころか、掠め取られます。挙げ句の果てに、実質死刑同然の国外追放。しかし、これがリアの幸福の始まりとなります。
この作品、搾取側への断罪は苛烈です。まさに因果応報。ヒロイン側が手を下さなくても、きっちり制裁されます。運命からの残酷なしっぺ返しで、それぞれが代償を払うのでした。
ヒロインにほだされるヒーローは第2王子ルードヴィヒ。この王子様が、誠実かつ非常に男らしい。素敵過ぎる。最初の出会い、深手を負い、立つこともままならない状態ながら、リアをかばい逃がそうとします。リアに想いをかける様になっても、自身の病をわきまえて、心情を明かす事などありません。呪いが解けて、自身が相手の人生に責任を負えると確信が持てるまで、告白しないのでした。その後も故国を憂うリアの為に為政者として尽力。この王子様、本当に魅力的。真心と深い愛情。人物の度量の大きさに惚れました。
web小説では、仔犬のエピソードのところまでで、これはこれで爽やかな結末でしたが、コミック版では、読者が見たいであろうシーンをきちんと入れてくれています。大団円で幸せな気分になれました。 -
2025年7月5日の大災難【追記あり】2025年5月19日・こちらの漫画が香港で話題になり、それが原因で2025年7月の香港便が実際に減便されるというニュースを知って、情報源を見てみたくなり購入しました。
・内容は二部構成。第Ⅰ部予知夢編(10~91頁)、第Ⅱ部ミステリー漫画編(92~207頁)。
・予言に関する短編「私が見た未来」(23~48頁)で、2025年7月に触れるのは6頁のみ(43~48頁)。どちらかといえば、付け足し的な話題で短編の本筋ではありません。
・予言に関するところの本筋は、その後の「夢日記」解説にある夢日記の原本写真(75~86頁)になります。
・津波の予知夢は1981年に見て、その津波が2025年7月だと知ることになる夢を見た日が、2021年7月5日4:18AMとのこと。
・予知夢では震源地、津波の及ぶ範囲、津波後の様子などが書かれていました。
・津波は東日本大震災を越える規模であることや、大災害の後には、こうなるよね~と感じられるであろう寂寥感が呼び覚まされる内容でした。
・予知夢のメモの積み重ねなので、まとまりに欠け、掘り下げも感じられませんが、そもそも断片的な夢のシーンの話しですから、それを承知の上であれば、興味深く読めると思います。個々人の防災、減災にどう活かせるか、受け止め方次第な感じでした。
・【追記】ちなみに予知夢は南海トラフと違う別の震源地を現しているようでした。現実に2025年6月下旬からトカラ列島で地震が続いているのも不気味。7月2日午後4時までに911回。7月6日1,500回超え。霧島連山の新燃岳が噴火警戒レベル3を発表されているなどのニュースが流れると信憑性が増すようで個人的に怖いです。
・トカラ列島の地震は南海トラフと無関係と専門家は言っているようですが、予知夢も南海トラフでなくて「フィリピン海プレート」の別の場所に原因があるようなので、整合性があったりしたらと思うと怖いです。
・7月30日8時25分頃、ロシア、カムチャッカ半島沖でマグニチュード8.8の地震があり、日本全体に及ぶ津波注意報が出されました。トカラ列島と今回の地震、普段より大きめの地震活動があったので、津波に対する注意喚起はされて良かったように感じました。 -
転生した悪役令嬢はHしないと死ぬ運命~敵国王と篭絡結婚~【コミックス版】
可愛いふたり。でも激しい。2025年4月27日主人公のふたりが可愛らしくお似合いです。最初から敵対国同士の陰謀含みの政略結婚。ヒロイン(エマ)は相手を強制発情させるテンプテーションという特殊能力の持ち主で、嫁ぎ先のギデオン国王を篭絡し、内部崩壊させる狙い。意図を理解しているギデオン国王は警戒心を隠さず、気を許そうとはしません。
しかし、本当は中身が転生者のエマ、毒婦という評判の真逆。純真で無邪気、することなすこと全てが何とも可愛らしく、生来男らしさの塊のようなギデオン国王の庇護欲を掻き立てます。内面や行動は可愛いのに、外見は、豊満でありながらも折れそうな細い腰、閨では素直に快楽に反応する妖艶さ。ギデオン国王は自制しつつも、エマにひかれるのが止められない、口実を付けつつ、繰り返し閨を共にするのでした。これが思わぬ程の激しさでびっくり、陰謀中心にストーリー展開するのかと思いきや、閨事中心でした。
3巻完結で陰謀は尻窄み。急いで完了させた感がありますが、主人公ふたりの幸福感は溢れる程で、ハッピーエンド。これはこれで、まあいいのではと思います。
国王として重責を背負うギデオンは、エマの楽観的な前向きさにも救われます。繰り返しになりますが、夜も最高。心身ともに癒されて、孤高な国王にとって、結果的に至福をもたらした政略結婚なのでした。 -
11巻特にいい!【追記あり】2025年4月27日11巻まで読みました。11巻特にいい!状況に迫られて、女装しヨハン王子に侍るノア。状況を回避した後も、夫婦を偽装して夜の市街へ視察に出ます。女装したノアの美しいこと!流れる銀髪、ため息が出そうです。新人騎士のオスカーが赤面するのも可愛い。ノアの態度は騎士として一貫していますが、王子の方が距離が近い。ふたりきりだからいいものの、他の騎士が見たら何と思うか…というかとても見せられない。ノアにさりげなく触れる王子の手の大きさと、ノアの細身の肢体が対比されて、同性同士ではない組合せを実感させられます。
ヨハン王子は、実は女性と気付いて黙っているのか、男性だと分かっていてもひかれてしまうのか、今のところ真意は分かりません。ただ、出会った当初から、ノアに興味をひかれ、関わりの深い幼馴染みをうらやみ、機会を逃さすノアに関わろうとし、魅了されているのは明らかです。
これから先も当面じれ焦れなんだろうなと予測されますが、王子がノアが女性と知って(もしくは女性だと知っていると明らかにしても許される状態に)、抑え切れない歓喜を噛み締め、うち震えるシーンを見てみたいです。
【13話まで】ついにノアが王子への恋心を自覚します。予測通り、蓋をしてしまいますが。うーん。幼馴染みカイの指摘で気付かされるのですが、彼の心中はいかに?ノアに対する恋愛ゲージはゼロを示していますが、本心は分かりません。彼がノアを愛しているなら、誰よりも苦しい事になりそうです。 -
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かなりいいです【追記あり】2025年3月19日異世界転生ものですが、最初からサスペンス。謎が多く、手探り状態が続き、先が気になって、今のところの最新話(5話)まで購入してしまいました。
騎士(カイン)は、反逆者の息子で、いわくありの経歴、回りからも、虐げられがちです。転生前のヒロインは、好色で傲慢、とても好きになれる人物ではありません。そんなヒロインが騎士を服従させる為に、魅了魔法を使ったのが災いで、転生前の人生は騎士に殺害されてしまう結末なため、転生後のヒロインは、何としても魅了魔法を解かなくてはならないというのが、メインストーリーです。
騎士(カイン)は、魅了魔法の為か、護衛騎士の立場を過ぎた詮索と干渉、それにいつ常軌を逸するか分からない狂気を感じさせる為に、転生後ヒロインは、気をゆるめる暇がありません。
転生する前の名前も出てこないヒロインですが、精神的に大人で、まっとうな倫理観の持ち主、素敵な女性です。転生後は、悪女になりすましているものの、本来のまっとうさや優しさが、つい出てしまい、騎士を動揺させるのでした。
魅了魔法なしでは、騎士は到底ヒロインを、愛したりしなかったと思われましたが、これまでならあり得なかった聡明さや優しさを見て、真に絆されていくのでしょうか?まだまだ序盤ですが楽しみです。
絵も美しく、騎士の衣装をまじまじ見て鑑賞してしまいました。ただストーリー的には、魅了魔法を解くだけなら、それほど長編になりそうでないので、騎士の両親が、冤罪だったりしたら、巨悪の陰謀との戦いがあったりして、話が深まりそうなんですが、どうなんでしょう?いずれにしても楽しみです。最後まで追っていきたいです。続きが早く読みたいです。
【8話まで読了】ついに魅了魔法の解き方を知りましたが、ヒロインの意図するところと外れていきそうです。毎回、いいところで終わってしまい、早く続きが読みたいです。
【9話】ヒロインの前世の名前が出てきました。アリサ。可愛い名です。新生活を始めようとしますが、上手くいくのでしょうか?と、また先が気になります。
【10話】騎士(カイン)と腹黒妹から逃れられたと思ったら、そうではなかった?! -
ヒロインが素敵2024年12月15日メイドと誤認されてしまう程に質素なヒロインですが、外見も内面も美しい。しとやかで、芯が強く、聡明で、愛情深い。ヒーローはちょっとのんきなところがありますが、朗らかで誠実。ヒーローが世間体にとらわれず、プロポーズしてくれてよかった。ヒーローのふたりの子供だけでなく、孤児の使用人までも含めて、幸福感に包まれます。
ヒロインが魅力的な作品は、読んでいて心地いい。ヒーローが魅了されているけど、何故なのか、納得し難い作品だと、途中で読むのが辛くなり脱落。この作品はそういう所がありません。主人公ふたりだけの幸せにとどまらない、大きくて温かい愛情に癒されました。 -
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死にかけ悪役令嬢の失踪~改心しても無駄だったので初恋の人がさらってくれました~
すべてが何処までも美しい2024年11月3日まず作画が丁寧で何処までも美しい。背景と言うか、景色が、それだけでも見る価値ある美しさ。ヒロインはヤングケアラー的な家族からの無自覚な搾取を受ける状態にあります。その上、義妹に婚約者を奪われ、継母から作為かどうかはっきりとしませんが、死の直前までに至る仕打ちを受けます。
それから救いだし、時間をかけて介抱したのが、初恋の相手であるヒーロー。ヒーローがいなくては絶命したでしょう。ヒロインの家族の酷さは相当なレベルで、しかも無自覚ゆえに、後ろめたさや自責の念も何もない、端から見ても、かなりの腹立たしさ。
しかし明確な断罪はありません。ヒロインがそう望まないからです。ヒロインが望めば、性格的に峻烈さのありそうなヒーローが、きっちりやってくれたと思われますが、そうはなりません。過ぎたことを断罪するより、これから先に注力する未来志向なヒロインでした。
ロマンスはプラトニックでじれじれです。口づけですら終盤です。ハッピーエンドです。想いをよせる女性とふたりきりで、隔絶された空間にいながら、一切迫ったりしないヒーローでした。むしろ少しは煩悩に悩む姿が見たかったくらいです。
とにかく作画も主役の心根も、何処までも美しい作品です。海中の静粛さが絵から感じられるのが、とても素敵でした。 -
嫌われ令嬢は銀の王子に甘やかされる~復讐から溺愛までお任せください~【単話売】
命がけの切ない純愛物語です【追記あり】2024年11月3日元公爵令嬢で裏切り者の娘として蔑まれ、困窮生活に苦しむアストレアと、元王子で性奴隷まで落とされたシリウス。ふたりが出会い、いたわりあって暮らすうちに、互いがかけがえのない存在となり、深い愛を育みます。ふたりにとって両親を殺し、人生を転落させた共通の仇である現国王が、今なお、ふたりを翻弄し、苦境の中にあって、ようやく掴んだ幸せすら、手放さざるをえなくなります。(他の先行配信で11話まで読みました。)
話のテンポが良く、無駄にダレたりしません。主役のふたりが美しく、健気で好感が持てます。6話でふたりが結ばれて、プラトニックでなくなり、その後も度々結ばれるシーンがありますが、とにかく涙々の純愛なのです。この世で互いが唯一無二の存在で、本当に命がけで互いの愛に殉じようとします。
11話で一旦(?)別れが訪れますが、また再会出来ると信じたい。特にシリウスは性奴隷に落とされて、絶望の縁にありながらも、ようやく幸せを掴みかけた矢先だったので、なおのこと幸せになって欲しい、ふたりの愛の成就を願わずにいられません。読めば琴線に触れる名作だと思います。
残念なのは、題名がチープなので、薄くありきたりな内容を予測させ、随分損をしていると思います。主役のふたりが魅力的で応援したくなり、主役の魅力不足で脱落したくなる作品とは違ってます。もっともっと人気が出て欲しい作品です。結末まで追って行きたいです。
【20話で完結】2025年7月に雑誌掲載が完結しました。個人的に読了後は、爽やかな気分になれました。物語の展開は早く中弛みはありませんでした。アストレアが清廉潔白なだけの弱々しい人物でなかったのが魅力でした。 -
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