関係改善をあきらめて距離をおいたら、塩対応だった婚約者が絡んでくるようになりました(コミック)
最遠エト/雨野六月
国王がしっかりしてれば揉めなかったのに…
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼
序盤で明かされますが、王太子は第二王子で本当は第一王子がいます。第一王子は誰もが「最も次の王に相応しい」と絶賛されており母方の血筋も抜群で、その第一王子こそが表紙の赤毛の彼ですが…「両親どちらにも似ていない赤毛の王子で、理由は亡き王妃が赤毛の護衛騎士と不倫して作った子だから」という王太子の実母がばらまいた悪評のせいで廃嫡に追い込まれました。
王妃は出産間もなく死亡していたため証言すらできず、国王も一方的に側妃である王太子の実母の集めた証拠だけで「そんな、不倫されてたのか」「確かに自分に似ていない」とショックを受けて第二王子を王太子にしてしまいます。
しかし第一王子は母方の実家が国境を守る最強格の貴族「国の英雄」の孫でもあり、祖父に似てものすごい有能だったので周囲の誰からも絶賛される文武両道の様子から「第二王子は第一王子に比べて何もできない」と王太子は第一王子のことを愛していた者たちから嫌われて育つ羽目になります。
第二王子が主人公と婚約したのはそもそも「第一王子より出来が悪く母親の家柄も第一王子より劣るので、名門の令嬢と婚約して味方になってもらう」というものでした。
それによって第二王子への態度はだいぶ改善されたのですが、第二王子(王太子)は「自分のことを助けてくれる妻として、今からペコペコしないといけない」と卑屈なコンプレックスを拗らせ、自分を慕う主人公にモラハラを行って憂さ晴らしてしていきます。
王太子が主人公にやったことは最低ですが、最初から国王が「亡き王妃への流言飛語は許さない、我が子に違いない」と第一王子を王太子に擁立していれば…主人公は王太子と婚約しなかったかもしれませんが、王太子ももう少し歪まずに済んだのかなと思います。
なんというか王太子の母が自分の息子を第一王子より優秀にするという気概が無かったのが残念です。
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