日に流れて橋に行く
」のレビュー

日に流れて橋に行く

日高ショーコ

百貨店商売の原点が読める!

ネタバレ
2025年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今や苦境と言われる「百貨店」が、まさに時代のトレンドを牽引する存在になっていく黎明の時、明治時代の、その立役者達のストーリーです。
これ、ほんと、どんな文献を漁って調べ上げて描いてるんだろう...?すごい作者さんです。歴史書には無い、だけど確かにあっただろう百貨店商売のアレコレを、ここまでよく物語にしたもんです!だってN◯Kの大河だって朝ドラだって、多くの専門家を動員して本書いてるっていうじゃない?勿論漫画なりのフィクションは多分にあるんでしょうけど、原作者無しでこんなにリアルに時代を描写できるなんて。そこだけで必読の価値ありです。

物語の面白さは他の方々のコメント通りですが、私は人生の大半を百貨店と関わってきた人間なのでまた違った角度でも楽しんでいます。
黒木屋は白木屋で現東急、日越はやっぱ三越、銀座進出した三つ星は松坂屋か?とか、カタログ戦略、劇場戦略は今程の複雑なマーケティングが不要で羨ましいなーとか。
何より、時代を先読みして競合を出し抜き店を盛り上げていくパワーや、顧客体験をより良くしようというプロフェッショナルの矜持は、現代にも通じる見習うべき姿勢だし、ネット通販の今も商売の基本は同じだなぁと思わされたりしています。
もし我が子が商売で身を立てようとしているなら勧めたい。

4巻発刊あたりに読み始め、既刊11巻。
今後は鷹頭vs日比谷のサスペンス要素がどうなっていくのかが1番の見所かな。
楽しみに読み続けます!
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