ロスタイムに餞を
」のレビュー

ロスタイムに餞を

ココミ

欲しい言葉はたった一つ

ネタバレ
2025年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 4年の歳月がすでに経った状態でのスタート。間に何があったのか詳しくは書かれていないけど、ご飯屋さんの夫婦に名前を覚えられ、関係性も知っている。編集の方も尽を知っていて、二人が過ごした日々にいろんな人が関わっていて、二人が一緒にいる事を当然のように知っていてそうだと思っている。
それだけ二人が周囲から見ても良い関係性に見えているのは間違いないし、仲も良かった。
それでもほんの些細な引っかかる事が積もってしまうのは一緒に生活していく以上感じてしまうもので…。
今までだったら何とも思わなかった事が気になったりと、何というか…リアリティが高い。
嫌になって別れを告げたはずなのに、何気ない日常の思い出の中に常に現れる桐生の存在が、尽にとってどれだけ大きな存在なのかを如実に語っている。
桐生もまたどうにかしたい気持ちはあるのに、言葉ではなく体でそれを表そうとするの不器用すぎません?
小説家だからこそいろんな言葉を知っているはずなのに、言葉ではなく体でって…。
自分の中でうまく言語化できないのが悔しくて仕方ない!!
よりを戻せた二人はこれからも些細な事で喧嘩したりしちゃうのかな、とか考えていたら続編が出るとのこと!!!
二人のその後を見れると思うと嬉しくて仕方ないのと同時に心がぎゅっとなるんだろうな…と少し覚悟をして読みたいと思います。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!